工務店が1日でも早くSNS活用に力を入れなければいけない理由

工務店/ハウスメーカー

住宅業界や不動産業界は古くて変化が遅い業界だとよく言われます。地域に密着した中小工務店の集客やマーケティング支援をするなかで競合を見回してもネットを活用した集客への移行は遅く、SNSの使い方がうまいなと感じるところも数えられるくらいです。

今回はネットのなかでもとりわけSNSに注目して、住宅業界の現状や工夫するとおもしろそうな点を紹介します。これらを参考にしてソーシャルメディアへの取り組みを検討していただければと思います。

工務店のSNS活用が難しいのもわかる

住宅業界や地域に密着した工務店がSNSに力を入れにくいのもわかります。理由を少し深く考えてみると下記のような理由があげられます。

・商圏が限られている

・高価格で販売数が少ないのでユーザー投稿(UGC)が発生しにくい

・競合他社と差別化がしにくい

ネットで販売していて1,000円で購入できるものとはSNSマーケティングの難易度は異なります。「金額が高い×商圏が狭い」というのはなかなかない商材です。

なぜSNSをやったほうがいいのか?

そもそも「SNSをやったほうがいいか」という悩み自体が微妙ですが、一応住宅業界でSNSを活用したほうがいいといい話をしておきます。

ターゲットがSNSドンピシャ

工務店のメインターゲットとなるユーザーは30歳前後のこどもを持つ(予定の)人ですよね。そしてここから下の年代が今後のターゲットになります。この層というのはテレビの視聴時間も減っていますし、新聞はとっていないので折込チラシを見ることもありません。

比較段階の前にアプローチしなければならない

あなたが車を購入しようと思ったときに、各メーカーの各車種をすべて確認してそのなかからよさそうなものの話を聞くという行動をとるでしょうか。おそらくそんなことはしないはずです。車を買うんだったらこの車種がよさそうだなという2,3種類が頭の中にあって、いざ購入を検討する際にはそれらの車種について詳しく調べるはずです。そうすると家においても同様のことが言えないでしょうか。具体的な検討に入る前にしっかりアプローチしていなければならないはずです。

顧客から資料請求があってその後の面談から自社の魅力を伝えようと思っても手遅れです。具体的な検討や行動を起こす前から自社を記憶しておいてもらわなければなりません。その役割としてもSNSは非常に効果を発揮します。

SNSがどういう効果をもたらすのか

「SNSは情報が拡散するものである」というような浅い話をテレビや雑誌で目にしたことがあるかもしれません。そのような爆発的な情報の拡散をバズると言ったりします。「うちにはそんなおもしろい情報はないよ」と考える方も多いと思いますが、それで全く問題ありません。バズる必要はありませんし一時的な話題化には意味もありません。

ユーザーがサービスを知ってから購入して継続したり他人に紹介するといった一連の流れをファネルというもので表すことがあります。

【マーケティング用語】図解!知っているようで知らない「ファネル」とは?

SNSはファネルの様々なところに作用します。

新しいリーチで見込み顧客を創出

知らないものは購入できません。まずは認知を獲得する必要があります。

住宅業界の認知獲得の手段としては、ポスティング、折込チラシ、SUUMO、住宅展示場などが長年メインとなってきました。決してこれらのすべてで効果がなくなったというわけではありません。しかし徐々に効果が小さくなっていることはデータでも体感でも理解できます。ユーザーがどこに行ったかというとネットでありSNSです。新規の認知を獲得するためにはユーザーのいるところで活動しましょう。

会社ブランディングとしての効果

ブランドやブランディングとは「高級なイメージ」や「かっこいいイメージ」という意味ではありません。ブランドとはその会社がどう認知されているかということです。価格が安いなのか、高級住宅なのか、デザインが豪華なのか、耐震性が高いなのか、職人が優秀なのか、アフターがしっかりしているといった「他社とどう異なっているのか」を明らかにしなければなりません。そうしなければユーザーと接点が合っても記憶に残りませんし選ばれることもありません。

自社で契約する人に好意を持たれればいいだけですので、全員に好かれる必要もありません。ブランドやポジションとして最悪なのは、「デザインにこだわり、お客様の生活に寄り添った、家族を守る家を価格を抑えてご提供」のようなものです。SNSでは継続的に情報を発信することが可能です。「自社がどう認識されたいのか」を意識して一貫性のある発信をする必要があります。正しいブランドは問い合わせ率も受注率も紹介率も向上させます。

工務店にはどのSNSが適しているか?

SNSには効果がありそうだ、となんとなく伝わったかと思います。そうすると次に、SNSを導入するならどのSNSを使うべきなのかという疑問が出てきます。代表的なSNSプラットフォームのどれを選択するかについて、工務店で活用するならという観点で説明します。

インスタグラムは新規獲得よりも検討客向け

国内でもここ数年で急速に拡大したインスタグラムですが、工務店の新規客獲得においてはうまく活用できている会社が少ないなという印象です。数年前であれば綺麗な施工事例の画像をアップしているだけでもある程度の効果が期待できました。しかし現在そのような投稿では差別化はできません。

インスタグラムはすでに比較検討段階に入っているユーザーに対しての情報提供や既存顧客との接点としては使いやすいのですが、新規のユーザー接点としては効率がよくありません。現実的な使い方としては、検討中ユーザーに見てもらうことでイメージを膨らませたり問い合わせ率を上げるというカタログ的な使い方などがあります。

インスタグラムはどちらかというと広告でおすすめということをこちらの記事で書きました。

YouTubeは今からやると熱い

住宅会社や工務店が力を入れて一番伸びそうなのがYouTubeです。労力や時間は必要ですが最も伸びしろがあります。更新内容はYouTuberのようなおもしろ動画である必要はまったくなく、ユーザーの役に立つものであれば問題ありません。営業時のトークでもいいですし、よくもらう質問への回答でもいいでしょう。まだそこまで検討意欲が高くない人や忙しい人のためにモデルハウスの案内動画もいいかもしれません。営業工数も省けて一石二鳥です。

↓参考になるYouTubeチャンネル↓

姫路の工務店クオホーム 注文住宅

ふくろう不動産

ラクジュ建築と不動産

Twitterやるなら社長の個人アカウント

Twitterは情報の拡散性が高いのですが、企業公式アカウントにはファンやフォロワーがつきにくいという弱点があります。Twitter公式アカウントがうまくいっているほとんどは大企業や有名なブランドです。中小企業は公式アカウントの運用を行うのではなく、社長や担当者が住宅に特化した個人アカウントを運するのが得策です。

Facebookの用途は広告配信のみ

数年前ならFBページの運用もありでした、現在ではユーザーがほぼいないのでやめておきましょう。しかし広告配信のプラットフォームとしては依然有効ですので、FBページには他のメディア用に作ったクリエイティブがあれば一応流しておくといいかもしれません。

アカウント運用だけでがSNSではない

SNSを活用するというのは、SNSアカウントを運用することだけではありません。自社がSNSを使って情報を発信することだけでなく、ユーザーが自社についてSNS上に投稿してくれる仕掛けもSNSマーケティングです。例えばこれらの施策もSNSマーケティングです。

・イベント内容をSNSに投稿したくなるものにする

・見学会で写真を撮りやすい工夫をする

・OBに自社のアンバサダーになってもらい継続的に自宅をアップしてもらう

SNSアカウント運用はSNSマーケティングの一部でしかありません。

まとめ

工務店や住宅業界の環境を踏まえ、SNSの目的や効果を説明してきました。この記事のまとめとしてこのようなことが言えます。

・SNSを有効に利用できないと今後は厳しい

・おすすめは YouTube>インスタグラム>Twitter>ピンタレスト>Facebook

・SNS以外も含めた施策の組み合わせが重要

ここでのおすすめも一般的な話であって、企業の強みやポジションによってまったく異なってきます。SNSをやる/やらないに関わらず、自社の強みはなにでどういう会社なのか?の再認識と共有が不可欠です。

ひとつのSNSアカウントを見て成功か失敗かという議論も正しくありません。SNSは戦略全体のなかにあるひとつの役割を持っているだけです。「ブログを書いてそれをTwitterで経路させる」「チラシとSNSを連動させる」のようにSNSとそれ以外の組み合わせSNSとオフラインの組み合わせを設計する必要があります。


工務店・住宅会社の効率的なwebマーケティングならご相談ください。

KAIZUKAではさまざまな業種のデジタルマーケティング支援をしておりますが、なかでも小〜中規模工務店のWebマーケティングに関しては実績が豊富です。 広告費予算としては月額10〜30万円程度の規模をメインに、Webサイト(ホームページ)・広告・コンテンツなど工務店集客に関するデジタル・Web周りを総合的にサポートします。

Web施策の導入や依頼先の切り替え、効果のシミュレーション等のご相談は初回無料で対応しておりますので、下記フォームよりご連絡ください。

↓この記事を読んだ人にはこちらもおすすめ↓

Posted by kaizuka