工務店のチラシは効果がなくなった?インスタグラムと比較してみた
多くの工務店やハウスメーカーの集客をお手伝いするなかでソーシャルメディア、最近は特にインスタグラムの活用についてのご相談を頂くことが多くなってます。マクロでは新設住宅着工戸数が年々減少し、新規の集客面でも今まで主流だった新聞折り込みチラシやポスティングの効果も徐々に低下していることはどの事業者でも感じていることです。一方でそんな状況でも販促活動をネットにうまくリプレイスできている企業様は問い合わせや契約数を伸ばし続けています。
今回は注文住宅を手がける工務店や住宅会社において、新聞折り込みチラシの効果はなくなったのか?という点についてSNSの雄であるインスタグラムと比較しながら考察してみます。
チラシとインスタグラムを潜在リーチで比較
ハウスメーカーの見学会やイベント開催時に新聞の折込チラシを活用する工務店も多いと思います。ただこの反応率が年々低下しているのはどの工務店でも感じることではないでしょうか。場合によっては折込チラシ1回に50万円の費用をかけても来場者は1〜2組ということも珍しくありません。
若年層に新聞は読まれていないのか?
「若い人は新聞を読まない」とよく言われますが、実際に20〜30代の新聞購読率はどれくらいなのでしょうか。「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を参考に年代別に新聞を読んでいる人の割合をまとめています。
<年代別新聞の行為者率>
年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 |
行為者率 | 2.1% | 6.7% | 18.2% | 27.8% |
「新聞の行為者率」とは本調査で「新聞を読む」という項目にチェックがついた回答者比率のことで、調査指定日に「新聞を15分以上読んだ」人の割合のことを指します。よって「新聞の行為者率」とは新聞が家に届いている数字ではなく実際に読んでいる人数の割合を表しています。20〜30代で新聞を読んでいるのは人口の約10%で、このなかでさらにチラシを目にする人となると全体の3%程度まで下がることが予想できます。
ちなみに年代が下がるにつれて新聞の行為者率は下がるのですが、このままの推移が続くと10年後には30代以下の新聞読者はほとんどいなくなります。工務店やハウスメーカーのメイン顧客は住宅購入を検討する20〜30代になりますので、現時点で効果が薄いことはデータからもわかりますし、時間が経つにつれ厳しくなることも容易に想像ができます。
インスタグラム(Instagram)は本当に使われているか?
「インスタグラムのユーザー数が増えている」というのはニュースや雑誌でもよく目にしますが、こちらも本当か確かめるために総務省の「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」で確認してみました。
<インスタグラムの利用率>
年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 |
利用率 | 30.7% | 45.2% | 30.3% | 16% |
インスタグラムの利用率は20代では45%、30代では30%となり、女性だけに絞るともう少し高くなります。現時点で10代でも30%ありますので、数年後には20〜30代の利用率では50%を超える可能性も十分にあります。
年代別ソーシャルメディアと新聞の行為者
下の表はインスタグラム以外にもLINEやX(旧Twitter)、Facebookなどのソーシャルメディアと新聞の行為者率を年代別に表したものを折込チラシを配布する手順、金額やその手続きについて(2017年2月版)から引用させて頂きました。
参考:折込チラシを配布する手順、金額やその手続きについて(2017年2月版)
新聞広告や折込チラシも50代以上をターゲットとしたリーチには有効な手段ですが、40代以下をターゲットとするのであれば非効率であることは明らかです。これらの調査データは平成27〜28年のものになりますので、現在ではより進んでいることが容易に予想できます。
チラシとインスタグラムを金額で比較
工務店のイベントやモデルハウスの集客に活用される新聞折り込みチラシの金額相場は1枚3〜5円なので10万世帯に配ろうとすると1回30万円〜50万円となります。10万世帯に配布したとしてもそのうち住宅購入の可能性がある20〜30代世帯は10%程度と予想されるので、30〜50万円の広告費用で約1万リーチくらいでしょうか。そのなかでチラシを見る人で考えるとさらに数は小さくなります。一方でインスタグラムは手法や運用内容によってかなり差があるので一概には難しいのですが、10万人にリーチしようとすると20〜30万円程度でも可能です。
よって工務店やハウスメーカーのリーチすべき20〜40代ターゲットの認知を獲得するといったことのみを考えると、インスタグラムなどのネットの広告のほうが10倍程度効率的であることが予想されます。
チラシが有効な場合
新聞広告やチラシはリーチ可能性が低いからまったく効果がないというわけではありません。住宅購入検討者の契約までのファネルと効果的なweb施策を簡単な図にしました。
新聞折り込みチラシは紙という物体が存在することによって「家庭内の複数人で共有しやすい」「デザインされた紙で訴求できる」「まずまずの規模がある会社だという錯覚を与えられる」というメリットがあるのではないでしょうか。ネットのバナーやテキストだけでは伝達できないこともチラシならできる場合もあります。重要なことは「SNSなどのネットメディアを認知に活用して、チラシで行動を促す」といったような全体の戦略を組むことです。
チラシポスティングは面倒?金額は?
ここまでで説明したように新聞折り込みのリーチはかなり微妙ですが、ポスティングならまだ十分効果が見込めそうです。ただポスティングを実施するには、チラシのデザインを考えて作成、ポスティング業者と打ち合わせを繰り返し・・・と非常に手間がかかるのも事実です。
そんなときにはネット印刷のラクスルなどを活用すれば、手間を減らしながら割と安い料金で実施することも可能です。試しにどれくらいの金額でポスティングができるのか概算の見積をとってみました。
今回は地域を宇都宮とし(配布エリアは丁目指定なども可能)、チラシの印刷から配布までを1万部するプランとしました。チラシのデザイン料は含んでいませんので、社内のデザイナーや付き合いのある制作会社にチラシのデザインを作ってもらってそのデータを納品する必要があります。ただ一度ベースとなるデザインを作ってフォーマットとしてしまえば、次回からはメイン画像を日付などを変えるだけでチラシが作成できます。
宇都宮周辺でチラシ1万部を印刷してそれをポスティングをすると84,000円程度の金額となることがわかりました。1枚あたりの印刷と配布の単価は8.4円です。
1万部もポスティングをすれば数件の新規反響は獲得できます。8万円で数件の新規反響があったらほとんどの会社では採算が合うのではないでしょうか。仮に1万部のポスティングでまったく反響がないことが続くのであれば、チラシデザイン(見た目だけではなく問い合わせのしやすさなど含め)に問題があるか、そもそもの訴求点がずれているかのどちらかでしょう。ポスティングの成果は「チラシデザイン × 配布エリア × 部数」で決まるので、それぞれのドライバーを改善し続ける必要があります。
工務店のチラシについてまとめる
・新聞チラシでリーチできるのは若年層(ターゲット)の3%程度
・工務店検討の主戦場はネットに置き換わっている
・使い方次第ではチラシが有用なケースも
チラシの反応が悪くなっていることは、工務店様での体感としてもデータからも明らかです。今後数年でプロモーションにネットをうまく使えた企業とそうでない企業での差は圧倒的なものになりますので、webの施策がいまいち進んでいないという企業様は一度ご相談ください。
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KAIZUKAではさまざまな業種のデジタルマーケティング支援をしておりますが、なかでも小〜中規模工務店のWebマーケティングに関しては実績が豊富です。 広告費予算としては月額10〜30万円程度の規模をメインに、Webサイト(ホームページ)・広告・コンテンツなど工務店集客に関するデジタル・Web周りを総合的にサポートします。
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