【事例】インスタグラムで人気の工務店アカウントを勝手に解説してみた

工務店/ハウスメーカー

工務店インスタ

ここ数年でもっとも利用率の高いSNSになったインスタグラム(Instagram)ですが、多くの中小企業アカウントではいつの間にか更新が止まっているというケースもよく見かけます。

住宅の業界は「有形の商品が存在している」「顧客が一般ユーザー(BtoC)」というインスタグラム運用が比較的やりやすく効果も出やすい環境ですが、十分な効果を実感している工務店は少ないのではないでしょうか。

この記事ではインスタ運用で効果を出していそうな成功事例といえる工務店のアカウントを紹介します。アカウント運用の方向性や内容でお悩みの方は参考にしてみてください。

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まずはインスタグラムの役割を明確にする

なにをもって”成功”かは企業によってさまざまで、そのため唯一正解の運用方法というものは存在しません。一方で運用がうまくいっていないアカウントに共通するケースでもっとも多いのが「施工事例の画像やイベントのお知らせを更新するだけ」になっているアカウントです。

はるか昔のインスタグラム黎明期であればインスタグラムに施工事例をアップするだけでもある程度の認知が獲得できたのかもしれませんが、現在ではただ施工事例をアップするといった運用で十分な効果を得ることは期待できません。(それなら、やらないほうがよいかもしれません。)

重要なことは「どのようなユーザーにどのような影響を与えたいのか?」であり、目的もそれを達成するための方法もそれぞれの企業に最適なものがあるはずです。

・新しく自社を知ってもらうきっかけを作りたい

・検討中見込み顧客の成約率を上げたい

・OBからの紹介を増やしたい

・フォロワーを増やし人気に見えるような権威性を獲得したい

「なぜインスタグラムアカウントをやるのか?」を明確にすると更新すべき内容も議論しやすいでしょう。住宅業界で参考になるアカウントを大まかなジャンルに分けていくつか紹介していきます。

イメージ(カタログ)型のインスタアカウント

このタイプは工務店のインスタグラム運用として最も導入しやすい型ではないでしょうか。ポイントとしては施工事例の画像を更新するだけではなく、一連の投稿を通して自社のブランドを表現して覚えてもらうことです。アカウントの軸を決めて統一感のある更新を行うことが欠かせません。

これとは反対に、様々なタイプの規格住宅を扱っていてそれらの施工事例を混ぜて投稿してしまうことでどういう特徴の会社なのかわからなくなるというのもよくある失敗パターンです。

事例:アトリエデフ(atelierdef)

アトリエデフ(atelierdef)インスタグラム_1

こちらのアカウントでは会社のブランドである「木と土でつくる自然素材」と「ていねいな暮らし」を建物だけではなく自然の風景を使ってインスタグラムで表現しています。

アトリエデフ(atelierdef)インスタグラム_2

アカウントを見るとどのような特徴の会社なのかが一目瞭然です。会社のWebサイト(ホームページ)やSUUMO、他の媒体でなかなか伝えにくいこともインスタグラムならできるかもしれません。

見ているだけで気持ちのいいアカウントは住宅購入検討者以外からも支持されそうです。

この記事で取り上げた2020年当初は5,000フォロワー程度でしたが、2023年現在4万人以上のフォロワー数となっています。

アカウント⇒https://www.instagram.com/atelierdef/

事例:川添純一郎建築設計事務所(kawazoe.junichiro.architects)

こちらは工務店ではなく設計事務所のインスタグラムアカウントです。

建物のデザイン自体の統一感もありますし写真の色使いや構図といったところにも洗練されたデザインを感じます。テキストによる説明もありますが圧倒的に見た目が強いアカウントで、インスタグラム検索やおすすめで大きなインプレッション獲得が期待できます。

リーチや問い合わせ獲得の用途にも使えますが、アカウントのフォロワー数が多いことや面(アカウントのフィード)が美しいことは施主やOBのエンゲージメントを高める効果も期待できそうです。「うちがお願いしたのはここだよ」って知人に言いたくなりますよね。

アカウント⇒https://www.instagram.com/kawazoe.junichiro.architects/

事例:シンケンスタイル | 福岡・鹿児島 木の家づくり<注文住宅>(sinkenstyle)

こちらのアカウントも木や自然を活かした雰囲気がひと目で分かります。

「木・緑・空」を軸に統一感のある更新内容となっています。

インスタグラムに限ったことではありませんが、全員に好かれようとすると誰からも好かれません。「高級住宅もできるしローコストもできるしナチュラルも無機質にも対応していています!」というのは大手のハウスメーカーがとるべき戦略で、工務店がとるべき戦略はまったく逆です。ターゲットを狭く明確にすることで高い支持を獲得できます。

こちらのアカウントも2020年当時約1.5万だったフォロワーを現在は約4万まで拡大しています。

アカウント⇒https://www.instagram.com/sinkenstyle/

有益なコンテンツ提供型のインスタアカウント

インスタグラムは画像や動画が中心のSNSではありますが、テキストを効果的に使って支持を集めるアカウントも少なくありません。インスタグラムが写真や動画を楽しむのはもちろん、情報収集のためのツールとして使われています。

家づくりのポイント、デザインの工夫、間取りの工夫などユーザーの役に立つコンテンツを提供し続けることができればファンやフォロワーの獲得が見込めるでしょう。

事例:河野ひかり/コラボハウス一級建築士事務所(_hikari_kono)

こちらの建築事務所のインスタグラムアカウントでは、施工事例を解説しながらの画像に注釈を入れるという特徴があります。手書き文字で色やフォントを揃えることでアカウント全体の統一感が出ます。

気になったら保存して何度も見直したい投稿です。他社で検討・建築中の方にも役立つ内容です。

このアカウントも約3年で4,000フォロワーから3.4万フォロワーまで拡大しています。アカウントの方向性を間違えずに継続的な運用ができれば成功の確率は高くなります。

アカウント⇒https://www.instagram.com/hikari_collabo/

事例:madree(マドリー)(madree.jp)

マドリー(madree.jp)は工務店や住宅会社ではなく、間取り(建築家)とユーザーをマッチングするメディアです。マドリーはインスタグラムで毎日間取りを紹介しています。

間取りは家づくりにおいて後悔しやすいことランキング上位の常連です。間取りに特化して画像・テキストで丁寧に解説しているこのアカウントは、家づくりを検討中の方や同業者の方まで広く有用なアカウントでしょう。

このアカウントでは「間取り」でしたが、デザイン、お金、土地などさまざまな分野で応用ができそうです。自社の得意な部分に特化するというのはどんなタイプのアカウントでも同じです。

ユーザーコミュニケーション型のインスタアカウント

そもそもSNSはネットワーキングサービスであり、ユーザー同士のコミュニケーションが本質でもあります。

インスタグラムでは当初からフォロー・いいね・コメントなどでコミュニケーションをとることができましたが、ストーリーやインスタライブなどリアルタイム性を持つものやよりコミュニケーションを重視する方向に進化しています。

事例:永森建設 / 福井 工務店 新築 注文住宅(nagamorinomori)

福井の永森建設はインスタグラムの機能を十分に活用して見込み顧客とのコミュニケーションをとっています。

永森建設(nagamorinomori)インスタグラムライブ_1

インスタグラム上で生放送ができるインスタライブを活用してお客様からの質問に答えていくという放送を実施しています。

永森建設(nagamorinomori)インスタグラムライブ_2jpg

また営業担当がモデルハウスを解説するといった長尺の動画も用意されています。

ユーザーのなかにはモデルハウスや見学会に行くと決まった時間がとられたり営業マンの説明を聞かなければならないといった不安が存在します。このようなわかりやすい動画を見てもらって気になった方だけ実際に案内することができれば効率のよい営業も可能になります。

撮影はスマホで十分でコストもそこまでかかりませんので、30代前後〜以下をターゲットにするのであれば積極的に検討したい施策です。

アカウント⇒https://www.instagram.com/nagamorinomori/

事例:家づくり・Rico ナチュラルな暮らし・注文住宅🏠岐阜・一宮(naturehome1)

岐阜のナチュールホームも濃いコミュニケーションが特徴的です。ブログかというくらいのボリュームのある投稿キャプションは建築を検討中の方にとって非常に有益です。

こういった投稿にはユーザーからのコメントや質問が行われやすくなります。これらに回答していくことで関係性を強くしたり、中の人の温かみや親近感を作っていく効果があります。

またインスタライブ(生放送)で質問会を開催したり、その様子をあとからでも視聴ができるようアーカイブとしても残しています。ちなみにこちらの質問会の動画は10日で約2,800回再生されるなど、リアルなイベントでは絶対にアプローチできない数のユーザー接点をつくっています。

営業の機会として勉強会や見学会のイベントを開催する工務店も多いのですが、今後はこういったオンラインを活用するなどの企業とユーザーの双方にとって効率のよい情報共有がスタンダードになるかもしれません。

アカウント⇒https://www.instagram.com/naturehome1/

工務店はインスタグラムをどう運用するか?

この記事ではアカウントのタイプに分けて参考になる事例を紹介しました。もちろん綺麗な写真も大事ではありますが、それよりも「役に立った」「継続的に見たい」といった「ユーザーに対してどのような価値を提供しているか?」が重要であることがご理解いただけたかと思います。

デザインのように見た目で特徴がわかりやすいものでなくても、「ローコスト住宅メーカーによる価格を抑えるポイント」や「自然素材メーカーによる施工の工夫」といったコンテンツでもいいかもしれません。重要なことは自社の魅力や強みを伝えながらコミュニケーションをとることです。

KAIZUKAではインスタグラムに限らず住宅会社様のWebマーケティングを多く支援しております。アカウント運用の方向性や社内に担当する人間がいないなどお悩みの企業様はこちらのフォームよりご連絡ください。

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Posted by kaizuka