中小企業がSNSマーケティングで成功するために必要なことをすべて解説する
普通に生活していれば世の中でSNSの影響力が大きくなっていることを感じます。ユーザー側ではSNSの利用が増加し続けているのですが、企業側においてはいまいちうまく活用ができていないことも多いように感じます。
そこで今回は特にリソースが十分でないような中小企業において
「SNSを活用するべきなのか?」
「やるならなにから始めればいいか?」
について解説します。SNSマーケティングに関して一通りまとめていますので、こちらの記事と関連記事を見ていただければおおよそのことは理解できるようになっています。
中小企業はSNSを活用するべきか?
そもそも中小・中堅企業はSNSに力を入れるべきなのでしょうか。ここでは中小企業にとってもSNS活用で効果を出すことができる理由をいくつかご紹介します。
SNS活用のメリット
「SNSは情報が拡散する」とニュースや雑誌でよく言われますが、中小企業のSNS活用においてより重要なのは下記に2点なのではと考えています。
低予算から始めることができる
SNSを活用したマーケティングや公式アカウントの開設などには、webサイトを作ったりシステムを開発するような数百万円の初期投資は必要ありません。しかし企画や計画をする時間、クリエイティブを作ったり投稿を実施する時間といった運用のための人的コストは必要になります。
消費者との継続的な接点になる
人間は継続的に接触する人やモノに好意を抱きます。定期的に情報を与え接触する機会が増えればそれだけ好意度は向上します。フォロー/フォロワーといった関係性の構築はもちろん、ユーザーによる自社商品やサービスに対する投稿に対してリアクションを行うことが可能です。
個人や中小企業が大企業と互角に戦える
SNSマーケティングにおいてはもちろん大企業やすでに認知されているブランドが無名な会社や商品と比較して有利であること間違いありません。しかし認知があるからSNSも成功するというわけではありません。これは有名な企業でもフォロワーが数百人程度のSNSアカウントを運用していたり、芸能人がYouTuberになってもうまくいかないことからも明らかです。ただのお知らせ配信や商品画像の投稿をするだけの運用であれば知名度のある商品でも成功しないということがわかります。
SNS運用を始めるにあたっての必須事項
予算をそこまで確保しなくてもSNSマーケティングを開始できることはわかりました。ここではソーシャルの活用にあたって考え方として重要だと感じることをいくつかまとめておきます。
ソーシャルの運用目的を明確にする
「なんか流行ってるから始めてみよう」でうまくいくところも極まれにあるかもしれません。しかしそのような奇跡のために貴重な時間を使うのはもったいないです。まずは最低限SNS運用の目的を確認する必要があります。現実的かそうでないのかは一旦置いておいて「何のためにやるのか?」という共通の認識を確認しましょう。そうしないと
・販売につなげる、問い合わせを獲得する
・サービスの認知を広げる
・こういう会社だというブランディングのため
・既存顧客との関係性構築
ある程度の知見のある人をメンバーに含んで開始する場合や運用の感覚を掴めたら数値を含む目標にしましょう。そもそものゴールを設定せずに「とりあえずフォロワー数1万人獲得!」のようなスタートは避けるべきです。
担当者は非常に重要
SNSアカウントの運用は誰が運用するかによって効果が数十倍も数百倍も変わります。どういう言葉を使うか、どういう写真や動画といったクリエイティブを使うべきなのかを判断をするためには、各SNSプラットフォームをどれだけ自らが消費していているか?が重要です。自分でSNSを使ったことがない人はまず100時間くらい自分で触ってみるのがいいのではないでしょうか。
SNSマーケティングとは公式アカウント運用だけではない
SNSアカウント運用はSNSマーケティングのなかのひとつの手段に過ぎません。SNSマーケティングという言葉が適切なのかすら怪しいですが、SNSマーケティングとはSNSを活用してマーケティング活動を促進させることではないでしょうか。そういった意味では下記のような施策もすべてSNSマーケティングの一貫です。
・ユーザーが撮影しやすいように外装を変える
・インフルエンサーにPR投稿を依頼する
・ソーシャルでシェアされる記事を書く
・SNSシェアユーザーに割引クーポンを配る
・社員が実名と会社名出してSNSを始める
SNSアカウントを開設するというのはわかりやすい取り組みなのですが、それが本当に最適なのかは考える余地があります。SNSアカウント運用が最適でないケースも多いという話です。
SNS広告の利用はありか?
SNSの多くではユーザーに対して広告配信を行うことが可能です。このSNS広告を利用するべきなのかを考えてみます。
SNS広告のメリット
ターゲティングの精度が高い
Facebookやinstagramには正確なデモグラフィックデータがあります。ユーザーが性別や誕生日、学歴を自ら入力し、また位置情報も取得されているので居住地や現在地も把握できます。その他SNSにおいてもどれを見てどれをクリックしたかというようなユーザーの行動データが取得されていますので、この人がどういう人でなにに関心があって買うか買わないかというデータが揃っています。これらのデータを活用することで広告配信のターゲティング精度を向上させることが可能となっています。
アカウントのスタートダッシュに有効
新しくアカウントを始めるのであれば、もちろんフォロワーは0からのスタートとなります。知ってもらえればフォロワーが増えるというようなアカウントであれば、アカウント初期に広告を少しだけ活用するのも効率がよさそうです。
広告は少額予算から実施可能
ほとんどのSNS広告では最低金額のようなものは決まっていないので極論数百円の予算でも広告配信を実施することが可能です。しかし予算が小さいと効果がある/ないの判断をするために十分な結果(データ)が集まりません。またデジタル広告の強みは配信結果を機械が学習し改善していくことですので、目的や商品にもよりますが月に10万円程度の予算は最低でも確保したいところです。
SNSアカウント運用とSNS広告は別物
広告をやるべきか?についてはそのアカウントの目的がなにかによります。顧客との関係性構築やフォロワー獲得であればそこまで必要ないのではないかと思います。考えるべきことは「SNS広告をやるかやらないか?」ではなく、「広告自体をやるべきか?」で、その上で「Google、Facebook、instagram、X(旧Twitter)のどこでやるべきなのか?」を考えるのが正しい順序です。
SNSの運用代行を検討する
弊社でもSNSの運用の支援や代行を行っているのですが、SNSの運用というのは社外に外注しにくい業務のひとつだと考えています。例えば経費精算のように誰がやっても同じ業務であれば外部業者に丸投げしても問題はありません。SNS運用に必要なことは決まった作業だけでなく、商品やサービスの強みは何でどういう見せ方をするのか?ユーザーはどのような人か?といった戦略やブランディングの理解が必要になります。この部分なしの運用はありきたりなものになりますので、相互に認識のすり合わせや情報の共有が必須になります。
運用代行の金額感は企業によって様々です。インスタグラムアカウントの企画から撮影加工、投稿までで月額30~100万円程度が相場となっています。また撮影だけ、撮影と加工だけというようなメニューを提供している企業も存在します。フリーランスを中心としたチームで運営する弊社もインスタグラムアカウントの運用は月額20~50万円程度でお手伝いするケースが多くなっています。
インスタグラムでもX(旧Twitter)でもこれらのSNS運用には原価や仕入れはほとんど存在しないので費用のほとんどが人件費です。誰がどのくらいの時間をかけて運用するのか?が金額を決める大きな要因となっていますので、単純に高い安いで決めるのではなく、どこまで対応してくれるのか?をよく確認するべきです。「10万円でインスタアカウント運用」を契約したら、適当に商品を撮影した画像をアップしているだけだったというケースもありますので注意が必要です。
まとめ
SNSマーケティングとは公式アカウントの運用だけではなく、SNSに関わるマーケティング活動すべてだということを記事を通して説明しました。どの方法をとるにしても下記が重要なことは変わらないはずです。
・自社の強みを把握してポジションをとる
・目的を決め体制を整える
・中長期の施策として取り組む
現在ではあからさまな先行者利益もなくなり、競合が多いなかで独自のポジションを確立しなければなりません。全企業、全サービスに共通のSNSマーケティング手法やアカウント運用方法などというものは存在せず、企業やサービスごとに適した運用があるはずです。
SNSは基本的にはよいものが伸びる世界です。中小企業のSNSマーケティングで目的とすることは一瞬のバズではなく、社会や消費者との持続的な接点を作ることであり味方(ファン)を増やすことではないでしょうか。
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