【初心者用】失敗しないWEB広告予算の決め方とは

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Web広告の広告費は自由に設定できるのが便利な点ですが、その自由度が高いがゆえに、最適な予算の決定は難しい場面もあります。特に経験や過去のデータが不足している場合、予算の根拠を見つけて確保するのは一苦労です。

今回は、予算の設定方法やメディアの選定について、Web広告初心者でも理解しやすいよう基本から順に解説します。

「予算は目標から逆算する」は正しいか

Web広告の予算設定において、「目標から逆算する」というアプローチが一般的に推奨されます。具体的には、「1件の問い合わせに1万円かかると予測できる場合、月に50件の問い合わせを獲得したいなら、月額50万円の予算が必要」というわけです。

この方法は理解しやすく、多くの場で紹介されていますが、Web広告の経験が少ない企業にとっては、必ずしも現実的ではない可能性があります。

問題1.明確な目標が存在しない

中小企業がWeb広告を開始する場合、具体的な数値目標(例:商談の創出数、売上高)が設定されていないケースが多いです。「目標から逆算する」方法は、明確な目標が存在しないと成立しません。

問題2.獲得単価の予測が難しい

目標から逆算する場合、1件あたりの資料請求や登録、問い合わせ、購入にかかる費用の予測が必要です。インターネット上には参考になる数値も存在しますが、実際の獲得単価を正確に予測するのは困難で、予測よりも高額になることも、逆に安く済むこともあります。

問題3.その予算が稟議を通らない

目標と獲得単価が明確になり、必要な予算が算出できたとしても、それがすんなりと承認されるわけではありません。多くの場合、「まずは○○万円から始めよう」といった具体的な根拠のない意見で予算が決定されることが多いです。

その範囲内でなにを実施をするのか?どのように優先順位や配分を決めるのか?というのが本当に考えなければならないことです。

WEB広告予算の目安と相場

Web広告が初めての場合、必要な予算を正確に算出するのは難しいでしょう。そこで参考になるのが、同業界での顧客獲得の相場や広告費の目安です。

顧客獲得には一定の相場が存在する場合もありますが、広告費に一概に適用できる目安は存在しません。適切な広告費は企業ごとに異なるのです。

例えば、1件の会員登録にかかる広告費の相場が3万円である業界が存在するとします。

月に10件の登録を目指すA社は、広告費として30万円が必要です。

月に100件の登録を目指すB社は、広告費として300万円が必要です。

商品やサービスの単価、目標の種類によっては、単価が異なる場合もあります。しかし、同業種で同じ種類の目標を持つ場合でも、広告で達成したい効果(件数)によって必要な予算は大きく変わることがあります。

関連記事:【業種別】リスティング広告のCPC(クリック単価)相場を解説

広告媒体の選び方と予算配分

広告予算を確保した後、次に考えるべきはその予算をどの媒体でどのように活用するかです。以下、よくある質問をもとに解説します。

リスティング広告(Google広告とYahoo!広告)

検索広告を検討する場合、Google広告とYahoo!広告のどちらを選ぶべきか、または両方を採用すべきかという疑問が生じます。

多くのケースで「まずはGoogle広告から始める」が推奨されますが、予算、マーケットの規模、ターゲット層、目標数値によっては、Google広告とYahoo!広告の両方を採用するべき場合もあります。

詳しくは、以下の関連記事でまとめています。

関連記事:結局リスティング広告はGoogleとYahoo!のどちらをやるべきか?

リスティング広告とその他SNS広告

現在、ネット広告費の大部分はリスティング広告(Google広告、Yahoo!広告)とSNS広告(Instagram、YouTube、LINEなど)が占めています。媒体選びには、検索広告かそれ以外かを最初に検討する必要があります。

「検索エンジンで検索するユーザーにアプローチしたい」場合は、リスティング広告を選びます。それ以外のSNS広告は、興味を持ちそうな人に積極的にアプローチする形になります。

どの媒体も最低予算の制限はありません、自由に予算を設定できます。

複数媒体に出稿?ひとつに集中?

広告を出稿する媒体を選ぶ際、一つの媒体だけでなく、「Google広告とInstagram広告」や「Instagram広告とLINE広告」など、複数の媒体を検討するケースもあります。

ただし、特定のテストを行いたい場合や広告予算が十分にある場合を除き、最初から複数の媒体に広告予算を分散するのは推奨されません。 主な理由は以下の二つです。

効果の判断が難しい: 広告の効果を評価するには、一定量のデータ(およびそのための予算)が必要です。複数の媒体に予算を分散すると、データが不足し効果の判断が難しくなります。

最適化のためのデータが不足する: ネット広告の強みは「データを用いた最適化」です。そのためには、十分なデータ量が必要です。

関連記事:【検証】コンバージョン数の最大化で本当にCV数は増えるのか?

まとめ

「どれくらいの予算が必要ですか?」というよくある質問に対する答えは、「何をどれくらい獲得したいかによって、必要な広告費は変わる」ということです。

ただし、この回答だけでは「結局、WEB広告の予算はどうやって決めればいいのか」という疑問は解消されていません。この問題に対する現実的なアドバイスとしては、具体的な目標を設定し、その目標に対する予算を計算する方法があります。具体的には、どの業界でどのような目標を達成したいか、事例を調査したり代理店や運用会社から情報を得ることが重要です。

例えば、BtoBの経理系SaaSツールの資料ダウンロードの相場が1万円と仮定した場合、10件獲得したいなら10万円、50件獲得したいなら50万円の予算が必要です。目標と予算が釣り合わないな場合、例えば「目標は月50件、予算は月10万円」とした場合、目標達成は非常に難しいでしょう。

目標が絶対的な数値であれば50万円の予算を準備しなければなりません。10万円で始める場合は、目標は達成しないけれど検証として実施と割り切る必要があります。

最後に、予算を効果的に使うためには、成功確率の高い媒体や施策から順番に進めることが推奨されます。特に、Web広告を初めて導入する際には、確実に効果が見込める施策から予算を配分することがおすすめです。

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この記事を書いた人

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著者名: にしりゅう

Webマーケティングと生成AI分野のエキスパート。10年以上にわたり、広告を中核としたWebマーケティング戦略の立案から実行までを一貫して支援。月額予算100万円前後の中小規模プロジェクトを得意とし、50件を超える成功事例を保有。施策横断的なアプローチに定評あり。最近は趣味の格闘技とトレーニングにのめり込んでいる。

Posted by kaizuka