結局リスティング広告はGoogleとYahoo!のどちらをやるべきか?
リスティング広告にはGoogle 広告とYahoo!広告が存在していて、細かな機能や配信先に差があることは少し調べればわかります。ただ問題は自社はGoogleとYahoo!のどちらを実施すべきなのかがいまいちわからないということです。
個別の事情を除いたおおまかな結論としては、
- ほとんどのケースでGoogleで始めればOK
- Yahoo!だけでやるケースは稀
- 両方やるべき場合もある
となります。
この記事ではGoogle 広告とYahoo!広告の違いや特徴を紹介しながら、自社はどちらを始めるかのヒントになりそうな情報を紹介していきます。
関連記事:【結論】リスティング広告の費用はいくらで始めるべきなのか?
まずはGoogle 広告とYahoo!広告の違い
検索エンジンに入力するキーワードをベースにする「検索連動型広告」とメディアや媒体の広告枠にバナーやテキストを表示させる「ディスプレイ広告」が広告の中心であるのはGoogle 広告もYahoo!広告も同じです。
似たような媒体であるGoogleとYahoo!のどちらを選択するべきかを考えるために、まずはそれぞれの特徴や違いを明確にしておきます。
機能にはそこまで差はない
Google 広告とYahoo!広告にはさまざまな仕様の差異があり、少し検索をすれば解説をしている記事がみつかります。例えば広告で表示される文字数、キーワード入札時のマッチタイプの微妙な違い、広告表示オプションの選択肢・・・細かい点まであげればキリがありません。
ただどちらを利用するかを検討するにあたってはこれらの細かい機能の違いはどうでもいいことなのです。「この記号が使いたいからYahoo!広告」「広告表示オプションが多いからGoogle 広告」ということは基本的にはありえません。意思決定に影響を与えない違いについては考える必要がありません。
ちなみに細かい点ではGoogle 広告で実装された機能や変更がYahoo!広告でも採用されるといったパターンが多くなっています。
ユーザー層
リーチできる(しやすい)ユーザー層には多少違いがありそうです。
スマホで検索する際にはSafariやChromeが使われることが大多数を占めます。これらのユーザーはGoogleの検索を利用することになり、Yahoo!検索を利用するためにはわざわざYahoo!アプリをダウンロードしていたり既定ブラウザをYahoo!に変更する必要があります。
スマホと比較するとPCのYahoo!利用率は高くなりますが、Yahoo!に慣れ親しんでいる中高年ユーザーや低リテラシーユーザーの割合が自然と高くなります。
ディスプレイ広告の配信先
検索広告はGoogle、Yahoo!の検索結果とそれぞれの検索パートナーが対象となります。
Google 広告:広告の掲載先 https://support.google.com/google-ads/answer/1704373?hl=ja
Yahoo!広告:広告掲載サイト https://promotionalads.yahoo.co.jp/service/publisher/
検索の露出面に関してはそこまで影響は大きくないのであまり考えなくてもいいのに対して、ディスプレイ広告の配信先にはGoogleとYahoo!で大きな違いがあります。
Googleディスプレイ広告の特徴は、大手メディアから個人のブログ、YouTubeやGmailといった無数の配信在庫が存在することです。Googleアドセンスを利用すれば誰でもブログやメディアを収益化することができ、広告の配信先が増加していきます。
一方でYahoo!ディスプレイ広告は大手メディアの枠が中心であることと、Yahoo!ニュースやYahoo!天気といったYahoo!関連サービスやYahoo!トップページのインフィード広告が特徴的です。
配信先の量やページのバリエーションではGooglに軍配が上がるため多くのケースではGoogle 広告のほうが効率がよさそうですが、例えば記事LPと呼ばれるような読み物系のランディングページならYahoo!トップページのインフィード面が有効だったりと商品やサービスによって使い分けが重要です。
審査基準
どんな商品やどんなページでも広告を出稿できるわけではなく審査というものが存在します。媒体にはそれぞれの広告審査基準が存在するので、「媒体Aでは広告ができるけど媒体Bでは広告ができない」ということも起こりえます。
薬機法が関わる分野などでたまに見られ、最近だとマスクなどのCOVIT-19関連の広告審査ではGoogleがかなり厳しいといった傾向もありました。
参考記事:不適切なコンテンツ – Google 広告ポリシー ヘルプ
参考記事:掲載できない広告 – ヘルプ – Yahoo!広告
予算や目標によっては両方やったほうがいいことも
サービスや商品によって優先すべき媒体があるケースが多いのですが、どちらかではなく両方同時にやるべきといったケースも存在します。その代表がコンバージョン数の獲得目標が高いケースです。
広告でのユーザー獲得においては、獲得数が増えるにつれてCPA(獲得単価)も上がっていくのが一般的です。1件あたり1,000円で月に10件のコンバージョンを獲得できたとしても、同じ手法で月に100件獲得しようとすると単価は確実に1,000円以上になります。
ある商品のCPAがテスト段階でGoogle 広告10,000円、Yahoo!広告15,000円だったとします。この場合Google 広告のほうが効率的に獲得ができそうなのですが、実際にはターゲットが少なかったりコンバージョン数目標が高かったりでGoogle 広告のCPAが15,000円以上に上昇することがあります。
その場合には「GoogleとYahoo!のどちらがいいか?」という問いは間違いで「GoogleとYahoo!でどのうような予算配分が最適か」が本当に検討すべき事項になります。
関連記事:低予算・少額予算でもリスティング広告で成果を出すポイント
競合他社によっても配信媒体は変わる
マーケットには自社とユーザーだけではなく、同じユーザーに類似商材を提供する競合他社が存在します。この競合他社の動きによっても自社がとるべき選択が変わる可能性があります。
同じ顧客候補をターゲットとする同業他社が5社あって、顧客候補の数はGoogleに100、Yahoo!に50存在するとします。Googleのほうがターゲットは2倍いますが、競合の5社がGoogleを選択している場合には競合の状況も考慮するとYahoo!のほうがよさそうです。
媒体選定で重要なことは目的を達成できる可能性が高いことです。その目的はコンバージョン数のこともコンバージョン単価のこともあるでしょう。「ターゲットユーザーが多いのはYahoo!」とか「スマホユーザーが多いのはGoogle!」のように短絡的にならず、競合状況やマーケットのサイズまで意識することが間違った判断を回避するポイントになります。
結論:Google 広告をやればいいけど調査は必要
Google 広告とYahoo!広告の違いを軸に媒体選定の考え方を説明してきました。
検索広告でもディスプレイ広告でも基本的にはGoogle 広告を選択したほうが間違う可能性は少ないのですが、ユーザー層や予算、目標、他社の状況など多くの要因が絡むことはご理解いただけたと思います。
機械学習による最適化といった点では予算は集約すべきですが、全体としてのCPAの観点では媒体毎の最適な予算が必須になります。Google 広告とYahoo!広告の判断に限らず媒体選定や予算配分といった広告運用のパートナーをお探しの方はご相談ください。
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