中小企業がリスティング広告やるなら最低限理解すべきポイント

中小企業

中小企業のリスティング広告

長らくインターネット広告を牽引してきたのが検索連動型広告=リスティング広告です。

「ネット広告を始めるならまずはリスティング広告」というパターンも多く、ほとんどのケースではそれで問題ないかもしれません。この記事では中小企業のリスティング広告導入を検討している方へ

  • なぜ中小企業にリスティング広告が適しているのか?
  • どうやったら失敗を避けられる?
  • 適切な広告費予算は?
  • 代理店に外注するべきか?
  • リスティング広告が適切でないケースとは?

など中小企業やスモールビジネスのリスティング広告について解説しています。広告導入や代理店への外注を検討するの参考にしてみてください。

そもそもリスティング広告で効果でる?

中小企業がリスティング広告の導入を検討するにあたって最も重要なのは、「自社のビジネスでリスティング広告の導入によって、広告費に見合った売上や利益が得られるか?」という問題です。

この質問に対する答えは一言で言うのは難しいですが、

「すべてのビジネスに当てはまるわけではないが、多くのビジネスで費用対効果が高い運用が可能です。うまくいかない場合は、運用が不適切であるか、商品・サービスの質が競合他社と比較して低いか、製品・サービスがリスティング広告(検索広告)に適していない場合が考えられます。」

と回答することが多いです。

過去のリスティング広告を実施してきた多くの広告主にとって有益であったことは、リスティング広告・運用型広告の広告費が毎年二桁成長を続けインターネット広告の80%以上を占めていることからも明らかです。

~運用型広告が2兆1,189億円で、推定開始以降はじめて2兆円を突破~
インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比115.3%の2兆1,189億円と推定開始以降はじめて2兆円を突破し、インターネット広告媒体費に占める構成比は85.4%となった。

引用:『「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

リスティング広告の最大の強みは、「検索」というユーザーの顕在化したニーズに対して広告を出すことができるという点です。なにかを探している人に対して広告を当てることになるので、問い合わせや購入などの結果に直結しやすい広告手法となっています。

さらに、雑誌や新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアで必要な大量の広告費は必要なく、リアルタイムで広告を最適化することも可能です。このような理由から、リスティング広告は適切な設計と運用ができればリスクが少なく、中小企業やスモールビジネスにも適しています。

成功・失敗は配信前にほぼ決まっている

リスティング広告の成果は、運用スキル、ランディングページ、商品の質など多くの要素に依存します。しかし、それ以前にビジネスの基本的な構造がリスティング広告に適していない場合もあります。

例えば、同じ業界で類似の商品を扱っている3社(A社、B社、C社)がリスティング広告を出稿しているとしましょう。各社で「問い合わせからの成約率」や「1契約あたりの獲得できる利益(LTV)」は異なるでしょう。

問い合わせからの成約率1件の成約により得る利益(LTV)許容できるCPA
A社20%30万円6万円
B社10%20万円2万円
C社5%10万円5,000円

単純に考えると、A社は30万円の利益を20%の確率で獲得できるため、1件の問い合わせに6万円の広告費をかけても損失は少ないです。一方で、C社は10万円の利益を5%の確率でしか獲得できないため、1件の問い合わせに5,000円以上の広告費をかけると赤字になります。

ここから理解できることは、成約率や1成約によって得られる利益によって、問い合わせ獲得にどれだけの広告費をかけられるかが変動するということです。

仮にA社、B社、C社がリスティング広告で1件の問い合わせ獲得に2万円かかったとすると、A社は広告費を増やし、C社はリスティング広告から撤退するでしょう。つまり、リスティング広告の成功や失敗は、運用だけでなく、ビジネスの基本構造にも大きく影響されると言えます。

予算はいくらで始めるべきか?

Google広告予算

リスティング広告の大きなメリットの一つは、予算(広告費)が自由に設定できる点です。しかし、その自由度が高いからこそ、どれくらいの予算でスタートするかの判断は難しくなります。

以下では、中小企業などの予算が大きくない企業がリスティング広告をどの程度の金額で始めるべきかについて考え方を紹介します。

集まるデータ量から考える

特に少額予算での広告運用においては、集まるデータ量が重要です。

リスティング広告、特にGoogle広告が成果を出す一因として、機械学習(AI)の活用があります。このAIは膨大なユーザー行動を分析し、最適な広告表示を判断します。

データ量が不足していると、この機械学習の力を十分に活用することができません。そのため、各媒体で推奨されるデータ量に基づいて、適切な予算を設定することが推奨されます。

スマート自動入札は、大小さまざまな規模のビジネスに適しています。スマート自動入札を導入すると、すべてのキャンペーンのデータに基づいて最適化が行われるため、独自のデータがない新しいキャンペーンの場合でも掲載結果が向上します。掲載結果を正確に評価するには、1 か月以上の長い期間に 30 回以上のコンバージョン(目標広告費用対効果の場合は 50 回以上)を獲得していることが推奨されます。

引用:スマート自動入札について – Google 広告 ヘルプ

商材のクリック単価やCPAの相場にもよりますが、小規模アカウントの場合でも、10万円〜30万円程度の予算を早めに使ってデータを収集することが推奨しています。効果が見込める場合は広告配信を継続、そうでない場合は撤退も選択肢となります。

参考ページ:検索広告の効果的な単価設定 – Google 広告 ヘルプ

運用コストから考える

リスティング広告の運用には、社内で行う場合は人件費、代理店を利用する場合は手数料などのコストが発生します。このコストと広告費のバランスは、予算設定の重要な要素となります。

運用代行フィーは一般的に最低でも5〜10万円/月が必要であり、格安業者やフリーランスでも最低3〜5万円/月程度は見込む必要があります。この運用コストを考慮しつつ、効率的な予算設定を行うことが重要です。

運用にかかるコストを考慮すると、最低限の広告費を確保しないと効率が悪くなります。例えば、1万円の広告配信に5万円の人件費をかけるのは、効率的でない選択と言えます。広告配信には、直接の成果以外にもデータや経験などの副次的な利点も得られますが、これを積極的には推奨できません。

達成したい目標から逆算する

リスティング広告で達成したい目標(購入数、問い合わせ数など)が明確で、その相場がわかっている場合、予算設定は比較的簡単です。 例えば、BtoBで問い合わせを月に10件獲得したい場合、その相場が3万円であれば、目標達成には3万円×10=30万円の予算が必要です。

もちろん、単価の相場は過去の経験や実績に基づく予想に過ぎません。しかし、「これくらいの成果が欲しい」という明確な目標があれば、広告費の算出も容易になります。

関連記事:【結論】リスティング広告の費用はいくらで始めるべきなのか?

ざっくり中小企業広告費の目安は30万円/月

ネット上の多くの情報やこの記事を読んだ後でも「結局、どれくらいの予算で始めるべきかわからない」と感じる中小企業やスモールビジネスの方々には、月額20〜30万円で始めると一般的には問題ないでしょう。30万円程度の予算があれば、ほとんどのビジネスでスムーズにリスティング広告を導入することが可能です。

実際に、弊社がサポートしてきた中小企業での広告費の初期設定は、20〜50万円程度が全体の約70%を占めていました。20万円以下と50万円以上の企業はそれぞれ約15%でした。10万円以下で開始する企業には、データ量や広告費と運用コストのバランスについての事前説明が必須です。

関連記事:低予算・少額予算のリスティング広告で成果を出すポイント

社内で運用する?外注する?

リスティング広告やインターネット広告は代理店に外注するのが一般的だと考える方もいるかもしれません。しかし、Google広告を始めとする運用型広告は、誰でも運用できるように設計されています。公式のヘルプや解説記事も充実しているため、社内スタッフでの運用も十分可能です。

人数やリソースが限られている中小企業では、専任の担当者を配置するのが難しい場合が多いため、代理店にすべてを委託する傾向があります。しかし広告配信を長期的に行う場合は、多少のコストをかけてでも広告に精通した人材やチームを育成することが推奨されます。

広告費が増加すると、手数料も大きな負担となります。多くの広告代理店では手数料が「広告費の20%」前後に設定されています。例えば、広告費が30万円/月の場合、手数料は6万円/月になります。一方で、広告費が300万円/月の場合、手数料は50〜60万円/月となり、大きな支出となります。

広告費別運用手数料

運用手数料に広告クリエイティブの制作費が含まれるか、特別な作業が必要かどうかも考慮する必要があります。

しかし、1つの商材に対する検索広告のシンプルな運用であれば、広告費が100万円程度であれば月に10〜20時間、300万円以下であれば月に20〜30時間の工数をかければ十分でしょう。必要な業務と不要な業務を明確にすることで、運用代行費用を抑制した外注も可能です。

関連記事:リスティング広告の見積もり依頼をする人が絶対に準備しておくこと

理解すべきは運用スキル + ビジネス

中小企業のリスティング広告に関する予算設定や成果の出し方について考察しました。

リスティング広告の運用に必要な基本的なスキルは独学で習得できますし、新卒者が運用会社に入社して1ヶ月勉強すれば、基本的な作業はこなせるようになります。ただし、単に広告を配信するだけでなく、売上や利益につなげるには、管理画面を操作する技術だけでなく、ビジネスやマーケティングの理解も必要です。

広告運用に関する知識には前提として、

  • リスティング広告による問い合わせは売上や利益につながってるか?
  • リスティング広告でどのような問い合わせを獲得するべきなのか?
  • 競合との違いをどのように広告に反映させるか?
  • 広告費はいくら使うべきか?

といったより大きな視点での戦略を考えることができないと、間違った方向に進んでいったり効率の悪い運用を続けてしまうことになります。

関連記事:なぜリスティング広告を手数料が安い業者に依頼すると失敗するのか

代理店に依頼する場合、「手数料○○%で他社より安い!」「コンバージョン数が○○%アップ事例!」といったものばかりに惑わされず、自社のビジネスを理解して伴走できる担当者がいるかがもっとも重要な点になるでしょう。


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この記事を書いた人

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著者名: にしりゅう

広告を中心にしたWebマーケティング支援に10年間従事。小〜中規模クライアントへ施策横断したマーケティング支援が特徴。特に月額予算50万円以下プロジェクトは100件以上の実績を持つ。

Posted by kaizuka