本当に広告運用をフリーランスに外注しても大丈夫なのか?

フリーランス

ネット広告、Web広告と言われて最初に思い浮かぶのは、インスタグラムの広告やネットサーフィンをしているときに表示されるバナーなどではないでしょうか?これらはネットの広告のなかでも「運用型広告」と分類され、その名の通り広告主(広告を出稿する企業等)が広告配信の運用業務を行う必要があります。

長らく運用型広告専門の代理店がこの役目を担ってきましたが、最近では外注ではなく社内にスタッフを集めるインハウス化、フリーランスへの依頼などが増加しています。

同時にフリーランスに依頼することには不安もあります。そこで今回は運用型広告をフリーランスに依頼して本当に安心なのか、運用代行会社とフリーランスをどう使い分けるかなどについて検討してみました。

広告運用の仕事とは

広告運用とは運用型広告の管理のことを指します。この広告運用者の仕事とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。広告運用者の仕事はこのように分解することができます。

①ビジネス理解⇒②企画立案、媒体の選定⇒③初期設定⇒④広告配信の最適化⇒⑤検証と改善、レポーティング

実際には運用代理店が行っているのは③~⑤の実務/作業部分であることがほとんどで、①や②まで踏み込む運用代行会社はそこまで多くありません。

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フリーランスに広告運用を依頼するメリット

国内には運用型広告の代行業務を行う「運用代行会社」が多数存在しています。運用代行会社は数千人規模の企業の一部門だったり、100人規模の専門会社、数人で運営する会社と大小様々です。

同時に個人でフリーランスとして広告運用代行を行っている人も存在します。これらの多くは企業で業務として運用代行を行い知識やノウハウを身に着けた後に、それを生かして副業や独立するというパターンが一般的です。

それでは企業を比較して、Web広告運用をフリーランスに依頼するメリットはなにがあるのでしょうか。

メリット1:費用が抑えられる

フリーランスに依頼するメリットとしておそらく最初に思い浮かぶのは費用が安くなるということではないでしょうか。それは多くの場合で正解です。企業は新人を含むスタッフや会社運営に関わる諸経費を負担しなければなりません。一方でフリーランスはこのような負担はありませんのでサービスを割安に提供することが可能です。

生産物が車や服といった製品の場合には規模を大きくするとひとつあたりの生産コストは下がります。しかし広告運用代行業務は労働集約的でありスケールメリットはそこまで期待できません。

メリット2:担当者が選べる/スキルの担保

フリーランスに依頼するメリットとして、担当者を選べるということもあります。「フリーランスのこの人にお願いする」と依頼をすれば、当然その人が担当をすることになります。

一方で運用代行会社との取引は、この人にお願いするよりもこの会社にお願いするというイメージです。また契約や顧客担当をする営業担当と運用者が別であることも多くあります。予算の小さなアカウントには新人がついたりすることもありますので、担当が選べないデメリットというのは存在します。

メリット3:担当変更がない

フリーランスの運用者との契約を続けている場合は、担当者が変わるということはほとんどないでしょう。一方運用代行会社は、担当者の異動や配置転換で担当が変わることがあります。

引き継ぎがあったとしても自社の説明や理解を最初からするのは面倒で、こういった点で特に大きな代理店を嫌うクライアントも存在します。

企業とフリーランスの金額相場を比較する

フリーランスに依頼することや柔軟な対応や担当を指名できることなどがありますが、検討の理由としてもっとも多いのは「費用が抑えられるから」でしょう。そこで企業に依頼する場合とフリーランスに依頼する場合の金額の違いについてまとめてみました。

広告運用代行を依頼するためには、【広告費】とその他の【運用代行費】や【コンサルティング料】といったものが必要になります。

広告費はGoogleやFacebook、インスタグラムなどの媒体にそのまま広告原価として支払われるものです。【運用代行費】や【コンサルティング料】というのが運用代行会社の取り分です。これらは「広告費の20%」のように広告費に対するコミッションで決めるのが業界で多いパターンです。

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■大手の運用代行会社

運用代行会社のなかでも社員数が数百人数千人の会社を大手としています。企業は十分なデータやノウハウを駆使しながらサービスを提供しています。しかしそもそも月に使用する広告費が数百万円~という案件しか受注・対応をしていません。

月の広告予算が30万円なのであれば、クライアントの平均広告費が500万円/月の代理店には相談するべきでではありません。逆に広告予算が1,000万/月ある場合には、クライアント平均広告費が50万円の代理店には依頼しないのが無難です。クライアント(広告費)の規模によって得意不得意なことがありますので、自社に適したサイズの代理店を選ぶことも重要です。

■中小の運用代行会社

従業員規模で数人〜100人程度で事業を行っているのが中小の運用代行会社です。中小の運用代行会社には最低の広告出稿金額が月額30万円であったり、なかには10万円から対応する企業も存在します。

中小の運用代行会社も基本的には広告費に対するコミッションで運用代行費が決定されます。広告費に対するコミッション(手数料)の相場は20%となっており、企業によって10%だったり15%だったりします。広告費が月額50万円だと運用手数料が10万円の合計して月額60万円ということですね。

業界慣習として広告費に対するコミッションが一般的ですが、一部の企業では業務の内容(時間)を明確にしてそれに応じた金額を請求するフィー制を採用している企業もあります。20%のコミッション制の場合は、運用する広告費が月額100万円から月額120万円になると運用代行費も20万円から24万円に増加します。しかし実際には広告費が100万円でも120万円でも作業に必要な時間や工数は変わりません。

「広告費が増えれば手数料も増える」のではなく、業務内容と量に応じた正当な金額を支払うというフィー性が今後拡がっていくかもしれません。

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■フリーランス

フリーランスの広告運用者は少額案件からある程度の規模まで幅広く対応する人が多い印象です。フリーランスの金額の決まり方は時給で換算すると2,000円~4,000円程度をベースに「どれくらいの時間をかけるか?」で算出されることが多いため、依頼する内容が増えれば増えるほど金額は上がります。逆に無駄な作業を削り、必要なものだけの依頼ができるのであれば割安にサービスを受けられます。

フリーランスに依頼する際の時給がどれくらいなのかについてこちらの記事で書きました。

時間をかければそれに比例してコストがあがりますので、「このレポートがほしい」「ここを解説してほしい」「バナーを作って欲しい」「(意味や効果のない)この作業をやってほしい」のように大企業担当者にありがちななんでもお願いしたいという人はフリーランスとの付き合いは向かないかもしれません。

まとめ

結論としてフリーランスに依頼することで費用を抑えられる可能性は高いです。その理由としては①効果に結びつかない無駄な作業を省いたり簡略化する②会社運営にかかるコストが必要ない の②点です。

莫大な予算でなくある程度の金額(月に50万円〜100万円程度)であれば個人のフリーランスでもまったく問題ないのではないでしょうか。それ以上の金額になったり様々な広告をまとめて依頼したいという場合はそれに適した運用代行会社に依頼したほうがいいかもしれないというのも事実です。

また発注者であるあなたが広告に対してまったく知見がない場合には特に注意しましょう。世の中には知識さを悪用して適当な運用で報酬を得る業者も多数存在します。個人的な感覚で依頼先を決定するのではなく、「信頼できる知人からの紹介」「業界内での評判」を利用することでそういったリスクを抑えることが可能です。

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この記事を書いた人

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著者名: にしりゅう

Webマーケティングと生成AI分野のエキスパート。10年以上にわたり、広告を中核としたWebマーケティング戦略の立案から実行までを一貫して支援。月額予算100万円前後の中小規模プロジェクトを得意とし、50件を超える成功事例を保有。施策横断的なアプローチに定評あり。最近は趣味の格闘技とトレーニングにのめり込んでいる。

Posted by kaizuka