インスタ広告にかかる費用と外注する場合の金額相場

「インスタ広告はどれくらいの金額からできますか?」
「予算は月に10万円なのですが、依頼は可能でしょうか?」
これらの質問に簡単に答えると、
「インスタ広告は月の予算が1万円からでも実施が可能です。小規模な事業や個人でも実施できます。ただし、企業が代理店に依頼する場合は、広告費と運用手数料を合わせて最低でも10〜20万円/月、理想的には30〜50万円/月が必要です。」
というのが回答になります。
この記事では、インスタ広告にかかる費用や、それを代理店や運用会社に外注する際に必要な費用について詳しく解説していきます。
まずはインスタグラムとインスタ広告について
2023年のインスタグラム

日本国内でのインスタグラムの月間アクティブアカウント数は、2023年現在で3,500万以上がアクティブであると予想されます。
インスタグラムのユーザー数は、Facebookの2,600万人やTwitter(現X)の4,500万人と比較しても最大規模です。YouTubeやTikTokのユーザー数や時間シェアが拡大している中、これらのユーザーにリーチ可能なインスタグラム広告は非常に魅力的な広告媒体です。
広告の種類
フィードと呼ばれるユーザーの投稿が流れる面に加え、ストーリーズやリールといった機能が順次追加されています。それに応じて、広告を配信できる範囲もストーリーズ、リール、発見タブ、プロフィールフィードまで拡張しています。
広告配信面は多岐にわたり、その範囲に合わせた静止画/動画やそのサイズを選択することが可能です。予算が潤沢で大きな工数を確保できる大企業を除いて、いくつかの画像と短い動画を用意して配信するのが主流です。
参考ページ:Instagramのストーリーズとフィード: イメージと使われ方の違い
ターゲティング方法と最適化
インスタグラム広告は、年齢、性別、居住地などのデモグラフィック情報はもちろん、ユーザーの興味・関心(インタレスト)や、自社サイトの訪問者、それに類似するユーザーへの配信といった細かいターゲティング設定が可能です。これが広告パフォーマンスが高い一因です。
関連記事:Facebook広告3つのターゲティング方法とオーディエンスをわかりやすく解説【2022年】
インスタ広告実施に必要な作業
インスタグラム広告を実施するにあたっての主要な業務は、以下のように分解できます。
インスタグラム広告の運用を代行している代理店は多数存在しますが、それぞれの代理店が得意とする業務は異なります。そのため、「自社が依頼したい業務は何か?」と「その代理店がどの分野で強みを持っているのか?」を明確にすることが、外注で失敗しないための重要なポイントです。
1.企画・コンサルティング
単にインスタ広告を配信するだけであれば、公式のヘルプやオンライン記事を参考に手順に沿って進めることは可能です。しかし、「目的を達成するための効果的な広告」を作成するには、それだけでは不十分です。
- インスタグラム広告をどのような方向性で進めるか
- 計画と目標の策定
- 広告クリエイティブの企画
- 会社や事業全体の戦略を考慮して、インスタグラム広告が最適なのかどうか
「広告を配信できること」と「広告で成果を上げること」の間には大きな差があります。
この企画やコンサルティング部分の対応範囲は、代理店や担当者によって大きく異なります。一部の代理店ではこの業務が運用代行フィーに含まれている場合もありますが、別途「企画や提案の作成」に対してフィーが発生する場合もあります。
方向性や基本戦略を間違えないよう、代理店の専門的な知見を活用することも一つの選択肢です。
2.画像や動画などの広告クリエイティブ制作

インスタグラム広告では広告に使用する画像や動画が必要になります。
Meta広告(Instagram)公式のクリエイティブ制作に関する情報が下記です。
関連ページ:見る人の心をとらえるInstagramクリエイティブの作り方
関連ページ:Instagramで他のアカウントをフォローしてインスピレーションを得る方法
主に制作会社や運用会社のデザイナーがこの広告クリエイティブ制作を行います。それ以外にも広告クリエイティブ作成を専門に行う会社も増えていますし、フォトショップやイラストレーターを使わなくても誰でも簡単にバナーが作れる「Canva」や簡易的な動画作成する「Ripl」のようなツールも存在します。
それぞれにメリットとデメリットがあり、もちろん安ければいいというわけではありません。利用可能な工数、予算、そして求めるクオリティに合わせて、適切な広告を作成する必要があります。代理店や運用会社に外注する場合には、クリエイティブ制作費用が別途必要なケースもありますが、基本的には運用代行フィーのなかにある程度の広告クリエイティブ制作を含んでいることが一般的です。
競合他社がどのような広告クリエイティブを利用しているかは、Meta広告の公式ツール「広告ライブラリ」で確認できます。

このツールでは、関連するキーワードや企業名を入力することで、各アカウントがどのような広告クリエイティブを配信しているかを一覧で確認できます。これはクオリティや方向性を参考にするのに役立ちます。
3.ランディングページの準備
インスタ広告の多くのフォーマットでは、ユーザーが画像や動画のリンクをクリックすると、ランディングページに遷移します。このランディングページは、購入や問い合わせなど、ユーザーにとって望ましい行動を促すページとなります。
多くの場合、製品やサービスのページがランディングページになります。費用をかけてユーザーを訪問させる以上、ランディングページは広告からの遷移に適した、目標(コンバージョン)達成確率の高いページであるべきです。モバイル対応はもちろん、そのページで目的達成が完了できるようなページを心がけます。
競合他社がインスタ広告でどのようなランディングページを使用しているかは「広告ライブラリ」から確認することが可能です。
4.広告の運用と改善
インスタグラム広告の外注や代行において、一般的にはこの「運用」部分が主な業務内容となります。
具体的には、アカウントの開設やタグマネジメントなどの技術的サポート、配信ターゲットの選定、ターゲットやクリエイティブの調整といった初期設定から、配信状況のモニタリングとそれに基づいた改善業務が含まれます。

運用型広告、例えばインスタグラム広告は、街頭のポスターやテレビCMのように「広告掲載がゴール」ではありません。むしろ「広告掲載がスタート」の性質を持っています。広告開始前の初期設計も重要ですが、名前の通り「運用型広告」では、配信開始後の「運用」が成果を大きく左右します。
そのため、代理店を選ぶ際には、運用体制がしっかりしているか、自社の予算規模に適しているかなどを慎重に見極める必要があります。
広告費や予算に決まりはある?
インスタグラム広告の予算には最低金額が設定されていないため、月に1,000円の予算でも広告の実施は可能です。ただし、インスタ広告は基本的にクリック単価で費用が発生するため、1,000円の予算で目標を達成するケースはほとんどありません。
Metaのテクノロジー(Facebook、Messenger、Instagram、Meta Audience Network)で広告を掲載する際は、広告にどれ位の費用をかけるかを決めます。Metaはその金額に応じて、最大限の成果をあげるようにします。1週間に$5を費やすことも、1週間に$50,000を費やすこともできます。
Metaのテクノロジーでの広告の費用
代理店や運用会社では、月予算10万円程度から対応しているところも存在します。予算がそれ以下の場合、代理店が手数料として受け取れる金額が少なくなるため、対応が難しいのが現状です。
弊社がインスタ広告の運用を支援している企業様の場合、月額20〜50万円程度の広告費がボリュームゾーンとなっています。
インスタ広告の課金方法やクリック単価
「インスタグラム広告をやった場合のクリック単価はいくらくらいですか?」という質問はよくありますが、一概に回答することは難しいです。同じユーザーをターゲットとする他のアカウントや同業種のアカウントの行動、さらにはユーザーからのクリエイティブ評価などによって、クリック単価(CPC)や表示にかかる金額(CPM)は変動します。

運用者が対象の業界やサービスに対する知見がある場合や、他の広告媒体を参考にすることで、ある程度の予測は可能です。しかし、CVやクリックの単価を決定する要因は多数あり、実際に運用を始める前の段階では「クリック単価は100〜300円の間でしょうか」といった非常に幅のある回答になることが多いです。
「月に◯◯件のコンバージョン(購入、申し込み、問い合わせなど)を獲得したい」といった目標を設定し、それが実現可能であれば、まずは実施してみることが重要です。
また、t代理店が作成するシミュレーションはかなり恣意的に調整できるものであるため、複数の運用会社や代理店にシミュレーションを依頼し、想定クリック単価や想定CPAを比較して発注先を決める方法はお勧めできません。
関連記事:Facebook広告の費用相場は●●万円〜?予算の決め方から事例まで
最適な広告予算の決め方
広告予算の設定には、「ゴールから決める」方法と「予算から決める」方法があります。
「ゴールから決める」とは、獲得したい件数が何件で、その単価がどれくらいかを基に予算を設定する方法です。このアプローチを採る場合、目的の達成にかかるコストを大まかにでも予測できる必要があります。
一方で、「予算から決める」とは、例えば「とりあえず月30万円で始めてみよう」といった具体的な予算額からスタートする方法です。多くの場合、この後者のアプローチが採られます。
インスタ広告を含む運用型広告のメリットの一つは、予算を自由に設定できる点です。配信が始まった後に効果と投資対効果を測定し、広告費を柔軟に変更・調整することが、理想的な運用方法と言えます。
業者に外注する際の料金相場
一般的に、インスタグラム広告を代理店に依頼する場合、主に「広告費」と「運用手数料」が発生します。広告費については、クライアントが直接インスタグラム(Meta社)に支払うケースと、代理店が先に支払って後で請求するケースがあります。
運用手数料は、広告運用を行う代理店や運用会社が得る収益です。この手数料の設定方法は会社によって異なり、一般的には「広告費の○○%」というコミッション制や「この作業ボリュームだと○○万円」というフィー制が存在します。
参考記事:広告料金のコミッション制とフィー制「不透明な報酬形態をフェアにすべき」 #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
日本国内のWeb広告運用会社では、手数料がコミッションで設定されることが多く、そのコミッション率は一般的に10〜20%です。例えばコミッション率が20%の場合、広告費が100万円/月の場合、手数料は20万円/月となり、合計で120万円/月になります。広告費を200万円/月に増額した場合、手数料は40万円/月となり、合計で240万円/月になります。
外注の運用手数料を抑えるポイント
広告運用において、費用対効果を高めるためには運用手数料をできるだけ抑えたいところです。ここでは、運用手数料を抑える方法を考えます。この話は「業務内容や量に関わらず手数料が20%」と決まっているコミッション制ではなく、個別見積もりのフィー制に限ります。
運用手数料の内訳には、管理や間接的なコストも含まれますが、大部分は人件費です。運用にどれくらいの時間と人員が必要かが、手数料の決定に大きく影響します。この所要時間には、全体の戦略や方向性の決定、適宜のモニタリング、配信先や予算配分の調整、画像や動画といったクリエイティブの制作、レポート作成や報告のようなものがすべて含まれます。基本的にひとりですべてに対応するわけではなく複数の人間が関わることになります。
例えば、時給3,000円の人が1日1時間(月20時間)運用にかける場合、人件費は6万円です。一方で、時給5,000円の人が1日2時間(月40時間)運用にかける場合、人件費は20万円になります。
このように計算すると、「ある程度のスキルを持った人に毎日2時間運用に時間をかけてもらう」場合、原価で20万円がかかることになります。その他のコストや利益を加えると、おおよそ25〜30万円/月が運用手数料になるでしょう。
この運用手数料を抑えるためには、時間単価の安い人や会社に依頼するか、作業量を減らす・圧縮する方法があります。特にフィー制の場合、作業量を減らしたり、打ち合わせやレポーティング内容を簡素化することで、運用手数料を減らす可能性があります。
インスタグラム広告の費用についてまとめ
この記事では、インスタグラム広告を検討している方に向けて、広告実施に関する業務内容と代理店に依頼した場合の費用について説明しました。要点をまとめると以下のようになります。
・社内で行うか外注するかを検討する
・予算は大体10万円程度から自由に設定可能
・手数料の相場は広告費の20%またはフィーで個別に見積もり
個人がテスト的に実施する場合、1万円でもインスタグラム広告は可能です。代理店や運用会社に依頼する場合は、月額30万円程度からが一般的ですが、フリーランスやフィー制で対応してくれる運用会社では、月額10万円程度の予算でも実施が可能です。
価格やフィーは運用会社や代理店によって異なるため、自社でできることと、依頼先が提供してくれるサービスをしっかりと見極めてから依頼先を選ぶことが重要です。
【初回無料】中小企業のWebマーケティングならご相談ください
KAIZUKAでは中小〜中堅企業に特化したデジタル/Webマーケティング全般のサポートを行っております。プランニングや戦略のフェーズから実際の運用まで幅広く対応可能です。
初回の打ち合わせと見積もりは無料で実施していますので、お困りのことがあればこちらよりご相談ください。