低予算で始めるBtoB(製造業/メーカー)リスティング広告
オンラインでの営業活動は業界問わず増加し続け、製造業やメーカーといったBtoB企業では当たり前になりました。
製造業やメーカーにおける見込み顧客獲得や商談創出に大きく貢献していた展示会は、コロナ禍以降当然縮小傾向となっています。これをきっかけにデジタル化に力を入れる企業も増え、「ネット広告を始めたい」といったご相談も多くなりました。
今回はネット広告のなかで比較的導入しやすいリスティング広告(Google広告、Yahoo!広告)について、中小の製造業やメーカー、専門商社が低予算での導入を検討しているようなケースについて解説します。
※この記事での「リスティング広告」は、「Google広告・Yahoo!広告の検索連動型広告」を指すこととします。
うまくいくBtoBリスティング広告の条件
リスティング広告がどのような結果になるかは、実際に配信してみなければわかりません。
しかし一方で「高い確率でいまくいかないケース」は存在します。BtoBのリスティング広告を成功させるための条件と、反対に失敗しやすいケースを説明します。
条件1:ニーズが顕在化している
リスティング広告はユーザーの検索行動(検索キーワード)に対しての広告ですので、ユーザーが検索という行動をしなければ接触すらできません。
ユーザーは”悩みや問題を解決するものや手段”を探すために検索をします。逆に言えば、検索はユーザー自身が悩みや問題を認識している場合にのみ行われるもので、ニーズが顕在化していない場合は検索はされません。
誰もそれに困っていない場合や世界初の製品、現在マーケットが存在しないものはリスティング広告に向いていない可能性が高いのです。
条件2:選ぶ理由がある
リスティング広告に関わらずオンラインでは製品の比較をすることが容易です。
リスティング広告上に競合が1、2社しか存在しない場合は別として、そうではないほとんどのケースでは機能の特徴や価格の安さなどなにかしらの差別化できる点がなければ期待する結果は得られないでしょう。
「似たような機能をもつ製品は他にも多くあり価格が安いわけでもない」ような場合には、自社や製品の強みとポジションを整理してからリスティング広告を始めることをおすすめします。
条件3:競合程度の広告費が出せる
ここでの広告費とは、「広告費の総額が潤沢か?」ということではなく「目標1件あたりに出せる広告費の額は市場と比較して適正か?」ということです。
競合他社のA社、B社、C社が1件の反響を3万円の広告費で獲得しているという環境で、「自社は5,000円で獲得したい」という目標設定は現実的ではないということです。製品やLPが他社より圧倒的によい場合にはあり得るかもしれませんが非常に稀なケースです。
最初から無理な目標を立てず、まずは相場程度の単価で獲得できるかをテストしながら徐々に改善をしていくのが賢明です。
関連記事:【結論】リスティング広告の費用はいくらで始めるべきなのか?
マーケットサイズ(=検索回数)を予想する
上記の「条件1」で例に上げたとおり、顕在化したニーズがあること(=検索回数が存在すること)はリスティング広告で成果を出す前提条件のひとつです。
製造業やメーカーではニッチなマーケットになることも多く、まずは検索回数が十分に存在するかを確認します。メインになるキーワードがまったく検索されていない場合や検索回数が月に10回しかないような場合は、そもそもリスティング広告をやるべきではないかもしれません。
検索回数のリサーチ方法としては、すでに広告出稿をしているGoogle広告アカウントがある場合には「Google広告キーワードプランナー」がよいでしょう。もっとも正確な検索回数がわかるツールなのですがこちらのツールは現在Google広告を利用している人(広告費が発生している)向けとなっており、そうでないユーザーが使用すると「100〜500回/月」のようなざっくりした数値しか表示されないためあまり参考になりません。
参考:キーワードプランナーの使い方 – Google Ads
Google公式のツール以外にも「Ubersuggest」や「aramakijake.jp」のような検索回数を把握するためのサービスはいくつも存在します。これ以外にも検索してみて好きなものを選べばよいですが、結果にずれがあるケースもあるので複数のサービスで確認してみることをおすすめします。
関連記事:【業種別】リスティング広告のCPC(クリック単価)相場を解説
BtoBリスティング広告の運用事例
海外製の機械を取り扱う機械専門商社の事例です。これまでの商談獲得は展示会きかっけがメインでしたが、コロナ禍での展示会縮小にともないデジタルを拡充していくことになりました。

広告対象製品に関するメインキーワードの検索回数は約500回/月。そこまで多くないのでまずは予算10万円で調査・テスト配信をしてみることとしました。

運用開始すぐはクリック数やクリック単価、コンバージョンの各数値が安定しないのですが、、2週間くらいで各数値が安定し始めコンバージョンも発生し始めます。
今回のテスト配信では予算が小さいためコンバージョン地点を問い合わせに設定すると十分なコンバージョン数(データ量)が確保できません。こういった場合には、より数が見込める資料ダウンロードやホワイトペーパー閲覧などをマイクロコンバージョンとして設定するなどの工夫がよいでしょう。
リスティング広告実施前は月1件程度だった引き合いは毎月5件程度発生するようになり、成果としては十分な結果となりました。製品の価格帯が数百万円と高価であるため商談獲得の単価は5万円程度でも許容できたのですが、結果2万円前後で獲得できたのもよい誤算でした。
製品やサービス、期待する数値よっては月間検索回数が100〜300回程度しかない場合でも効果的かもしれません。
まとめ
製造業・メーカーのようなBtoB業界におけるリスティング広告を紹介しました。
リスティング広告はニッチなマーケットであったとしても一定数の探している人が存在すれば成立します。「よい製品なのに知られていない。競合よりいいサービスだけど認知されていない」とはよく聞くことですが、本当にそのような状況なのであればリスティング広告は最良の選択肢になりえます。
業界や競合の状況にもよりますが、数十万円・数ヶ月程度からテストができるのでこの記事を参考にリスティング広告を試してみてください。
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