リスティング広告の広告費を削減する方法はあるけど本当にやるべき?
景気の影響やビジネス環境の変化など広告費を急に削減しなければならないケースが存在します。リスティング広告のようなネット広告は予算をいつでも柔軟に変更することができますので、広告費削減の対象になることも多いでしょう。
経費や広告費を削減する必要があるのはわかるのですが、果たして全体予算を縮小すればそれだけでよいのでしょうか。この記事では安易な広告費削減のリスクを解説しながら、実際に広告費を抑えていくための方法について検討しています。適切な広告費圧縮の参考にしてください。
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リスティング広告のコスト内訳
リスティング広告にかかるコストは、GoogleやYahoo!に支払う「広告費」と代理店や運用会社に支払う「外注費(運用手数料)」の合計です。
ということは、リスティング広告に関する支出を削減するには「広告費を減らす」か「外注費を減らす」のどちらかが必要です。※運用会社の手数料が(広告費の20%のように決まる)コミッションであれば、広告費が減ることで同時に手数料も安くなります。
「広告費を減らす」「外注費を減らす」ことは可能なのか?実際に行う際の問題点や注意点について検討していきます。
広告費を削減するとCVは減る
まず「広告費を減らす」についてです。宣伝広告費は比較的簡単に減らすことが可能なため、不景気で最初に減るのも広告費です。
同じ広告費のなかでもテレビCMのようなブランド広告や効果測定が難しい雑誌広告のようなものは、広告予算を縮小してもその悪影響はわかりにくいでしょう。マイナスの影響があったとしても遅れて表れることになりますので、今日明日の売上が減ることはありません。
一方でリスティング広告のように今すぐの購入や問い合わせ獲得を目的としている広告は、予算縮小のマイナス効果がすぐに現れます。リスティング広告の広告費を30%削減すると単純に購入数や売上が30%減少するというケースもあります。
広告費という支出は簡単に減らすことができるのですが、特にリスティング広告などのダイレクト系ネット広告においては売上や利益も同時に減少させます。支出を減らすプラスの効果よりも売上を失うマイナスの効果のほうが大きいということも起こりえます。
ちなみにリスティング広告を適切に運用できていなかった企業ほど、広告費を削減しても何の問題も影響もありません。リスティング広告がうまく機能していた企業ほど、広告費削減が売上や利益に影響を与えることになります。
関連記事:低予算・少額予算でもリスティング広告で成果を出すポイント
外注費を削減することは可能か
外注費(運用手数料)を圧縮することでもコスト削減の方法のひとつです。
手数料を広告費の◯◯%のようにコミッションで定めている場合は難しいのかもしれませんが、フィー制を採用している代理店であれば、業務内容を整理して運用にかける時間を圧縮するなどで運用費を下げることも可能です。
ただそれによって運用成果が悪化しては元も子もありませんので、必要な業務とそうでないものの優先度を十分に議論する必要があります。
または広告費削減や経費圧縮のタイミングでの代理店や運用会社の切り替え検討もひとつの選択肢です。
代理店や運用会社が異なるだけで、手数料が何十万円も変わったり、成果が倍変わったりすることもあります。予算の規模によってはフリーランス運用者への外注や広告運用自動化ツールの導入なども選択肢になってきます。
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広告費のムダを運用でカットする
広告費や手数料を削減することが、広告の成果を悪化させる可能性が高いことは理解できます。広告費を減らすことも重要ですが、まずはムダな広告支出を減らしましょう。
実際に行うべき作業やその優先度はアカウントによって異なります。これが正解というわけではありませんので判断や検討の参考として活用してください。
除外キーワード(リスト)
リスティング広告は問い合わせや購入が発生するしないに関わらず、広告がクリックされれば費用が発生します。ですので問い合わせにつながる見込みがなかったり可能性が低いものに関しては除外しておきましょう。
参考記事:除外キーワード リストについて
除外キーワードを選定する際の注意点としては「絶対にCVに繋がらないもの」「CVにつながる可能性が著しく低いもの」だけを設定するということです。除外キーワードに設定してよいキーワードの例として、通販をやっていない商品の「通販」、注文住宅会社の「賃貸」、転職サイトの「高校生」などがあげられます。除外キーワードに設定するか迷ったものは設定せずにGoogleの判断に任せておけば大丈夫です。
どのくらいまで設定するかは担当者が使える時間やその他施策との優先度によりますが、過去30日の検索語句を確認し複数回クリックされているものくらいで十分かと思います。
指名検索キャンペーンの停止
「指名検索」とは、自社名(会社名)や自社サービス名の検索を指します。リスティング広告においてこれらのキーワードを入札すべきかには意見が分かれるところではありますが、弊社では入札しているアカウントが過半数です。入札を行うかの判断は対象商品や競合の入札状況、予算、ブランディングといった複数の要因によって判断されます。
指名検索でのコンバージョンというのは、広告をやらなかったとしても自然検索で獲得できていたのかもしれません。そういった理由からも予算縮小の際に予算圧縮や停止されやすい部分になっています。
一般的に指名検索のCPAは安いため、指名検索キャンペーンの停止によって全体のCPAが高く見える傾向があります。アカウント全体のCPAで議論するのではなくキャンペーン別に数字を見ることで、誤った数字のプレッシャーを受けないようにしましょう。
まとめ
もちろん広告費を減らせばコストダウンになりますし、運用の外注をやめてインハウス運用にすることもコスト削減になるかもしれません。しかしそれは一時的な支出抑制であり、本当に効率的なものではありません。
広告費の削減はそれを行ったときの影響とセットで判断しなければなりません。「広告費を減らしたら売上が減った!」という事故を回避するためにもリスティング広告のようなダイレクトに売上や重要な指標につながる広告費の変更は慎重な判断をしたほうがよさそうです。
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