リスティング広告に意味も効果も感じないときの5つの打開策
リスティング広告、特に少額予算での運用では、獲得できる成果の数に限りがあるため、「本当に効果があるのか」と疑問を感じる方も多いでしょう。
この記事では、リスティング広告の効果に疑問を感じている方に向けて、リスティング広告の広告効果の判断基準や失敗しがちなポイントと具体的な改善策をまとめています。
意味ない効果ないと感じる理由
リスティング広告市場は拡大を続けており、多くの広告主が効果を実感し投資を増やしています。このことからも、リスティング広告自体に効果がないわけではないと推測できます。
しかし、なぜ一部の広告主は効果を感じられないのでしょうか。その原因は多くの場合、期待値と現実のギャップにあります。
具体的に、以下のような状況で広告主は効果を実感できないことがあります。
成果を得られなかったから
少額予算で始めたものの、問い合わせなどの具体的な成果が得られなかったケースです。例えば、「3万円の広告費を使ってクリックはあったけど問い合わせはなかった」「10万円使ったのに反応がない」といった状況です。
一方で「業界平均的な成果は出ているが、期待値が高すぎて失敗と認識している」ケースもあります。
「医師求人サイトの求職者募集に10万円の広告費を使ったけど登録者が0だった」は普通に起こり得ることです。この結果をみて「リスティング広告の効果がなかった」と判断するのは誤りです。
獲得単価が高すぎたから
「10万円も使ったのに問い合わせ3件しか獲得できませんでした」というケースです。
業界の平均的な獲得単価が3万円程度だとすれば、この結果は決して悪くありません。しかし、適正な顧客獲得単価(CPA)を理解していないと、効果がないと誤解してしまう可能性があります。
改善する見込みがないから
自社で何を改善すべきかわからない、あるいは広告代理店からも具体的なアドバイスがなく「様子を見ましょう」と言われるだけの状況です。
いつ改善が見込めるのか、どれくらい待てばいいのかが不明確なため、広告の継続を諦めてしまうケースです。
確かに効果がないケースもある
リスティング広告は多くの企業にとって効果的なマーケティング手法ですが、必ずしもすべての状況で成果を上げるわけではありません。以下に、リスティング広告が効果を発揮しにくい代表的なケースを紹介します。
効果がないケース① 誰も検索しない
ニッチすぎるマーケットや、潜在的なニーズはあるものの顕在化していない場合、ユーザーが検索行動を取らないことがあります。このような状況では、リスティング広告でアプローチすることが困難となり、期待する成果を得られない可能性が高くなります。
代替策として、Meta広告(旧Facebook広告)などのプラットフォームを活用し、こちらからユーザーにアプローチする方法が考えられます。これらの広告手法は、潜在的なニーズを持つユーザーに対してより効果的にアプローチできる可能性があります。
効果がないケース② 問い合わせ獲得してもコンペで勝てない
リスティング広告を通じて問い合わせや資料請求を獲得できたとしても、最終的な受注や契約につながらなければ、その広告効果は限定的と言わざるを得ません。ユーザーは通常、リスティング広告経由のページだけでなく、複数のサービスや製品を比較検討します。
そのため、自社の商品力が弱かったり、競合との明確な差別化ができていない場合、リスティング広告で集客を行っても売上や受注にはつながらない可能性があります。このような状況では、まず自社の提供する価値を再検討し、競合との差別化ポイントを明確にすることが重要です。
効果がないケース③ 相場の単価を出せない
業界の相場と自社の許容できる獲得単価に大きな乖離がある場合、リスティング広告の効果は期待できません
例えば、同業他社が1件の問い合わせを1万円で獲得している状況で、「10万円の予算で30件の問い合わせを獲得したい」というのは非現実的な目標設定です。
自社の事情により、業界相場に見合った獲得単価を設定できない場合は、リスティング広告以外の手法を検討することを推奨します。
重要なのは、「問い合わせは欲しいが費用はかけたくない」という考え方ではリスティング広告の効果を最大限に引き出すことは難しいという点です。
効果を劇的に改善する5つの施策
リスティング広告を試してみたものの、期待した効果が得られないことがあります。しかし、マーケットが存在し、競合他社が継続的に広告を出稿している中で、自社だけが成果を出せていない場合、その原因は運用や設定にある可能性が高く、改善の余地があります。
小〜中規模予算を100案件以上みてみましたが、大きく成果を改善する施策はいくつかに集約されます。
改善案① 効果的なランディングページの作成
リスティング広告の成果が出ない理由の約半数は、ランディングページ(LP)の問題に起因しています。
会社ホームページをそのまま使用したり、簡易LP作成サービスで素人が作成したページでは、十分な成果を上げることは困難です。
LPの改善で効果的な方法としては、以下があげられます。
・ファーストビューにターゲットと効用を明確に記載する
・ページのコンテンツを充実させる
・入力しやすいフォームを設置する
広告費には予算をかけても、LP制作に費用をかけたがらない広告主が多いのが実情です。
しかし、CVR(コンバージョン率)が2倍になれば広告費は半減できるため、仮にLP制作に30万円や50万円を投資しても十分に回収できます。初回のトライアルやテスト配信の場合でも、フリーランスのデザイナーに依頼して10万円程度でLPを制作してもらうことをおすすめします。効果の低いLPで広告費を垂れ流すよりも、はるかに賢明な選択です。
改善案② 自動入札をやめる
「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」などの自動入札は、広告媒体からも推奨されており、多くのアカウントで利用されています。しかし、予算の制約でコンバージョン獲得数が少ない場合や、入札単価が高い業界では、手動入札のほうが良い成果を出せることがあります。
月に3件や5件程度しかコンバージョンを獲得できない予算の場合、「コンバージョン数の最大化」という入札戦略は推奨できません。また、クリック単価の相場が1,000円を超えるような業界でも、自動入札によって不必要に高いクリック単価で入札されるケースが多々あります。
このような場合、拡張クリック単価制(手動入札の一種)に切り替えることで改善されることが多いです。
改善案③ キーワードを厳選する
予算が5万円や10万円程度のアカウントで、50個や100個ものキーワードが設定されているケースを見かけます。しかし、予算やクリック単価などの要因を考慮すると、1つの広告グループで20も30ものキーワードを設定すべきケースはほとんどありません。
キーワードを厳選することで、限られた予算を効果的に使用し、より高い成果を上げることができます。ターゲットユーザーの検索意図に合致した、少数の質の高いキーワードに集中することが重要です。
改善案④ フォームの見直し
リスティング広告とLPの主な目的は、ユーザーにフォームへの入力や電話での問い合わせを促すことです。しかし、電話ボタンが小さすぎたり、フォームが入力しにくかったりするケースが散見されます。
フォーム最適化のポイントは以下の通りです。
・入力項目(特に必須項目)を可能な限り少なくする
・視覚的に入力が少なく感じるデザインを心がける
・フォームを目立つ場所に配置する
デザインに自信がない場合は、「HubSpot」「フォームラン」「FormMailer(フォームメーラー)」のような外部のフォームサービスやプラグインを活用するのも一つの方法です。
改善案⑤ モバイルへの配信を停止する
特にBtoB商材の場合、モバイルでのコンバージョン獲得が難しいにもかかわらず、配信がモバイルに偏っているケースがあります。
一般ユーザーのクリックを多く獲得してしまっている場合や、スマートフォン向けLPの操作性が悪い場合は、モバイルへの配信を停止または制限することで成果が向上することがあります。
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