YouTube広告の視聴単価やクリック単価からわかった費用対効果とは
2019年はYouTuberがより力をつけていくのに加え、カジサックや中田敦彦のYouTube大学、嵐といった芸能人や大手芸能事務所がYouTubeチャンネル開設する年となりました。従来のテレビなどマスメディアで力を持っていた人間がYouTubeを始めることで、ユーザー数も一気に拡大しています。それと同時に動画の開始前や途中に再生される広告を出稿する企業も増加しています。
この記事は「動画の配信者が受け取る収益の話」ではなく「広告を出稿しようとしている人や企業に向けた話」になります。YouTubeへの広告出稿を検討している方に向けて、YouTube広告はどれくらいの費用がかかるのか?や広告費に見合った効果が得られるのか?といった点について解説をしていきます。
料金が発生するのは視聴されたときだけ
まずはYouTube広告の基本的な広告費の発生のしくみについて説明します。YouTube広告の特徴として「料金が発生するのはユーザーが広告を自発的に視聴したときだけ」というものがあげられます。これはどういうことかと言うと、たとえば動画広告が再生されて30秒以上視聴した場合や、広告に対してクリックなどの何らかのアクションを起こした場合にしか費用が発生しないということです。(Google公式:ビジネスに適した予算を設定する)
30秒の動画を広告として配信してすべて10秒時点でスキップされたら確かに費用はかからないのですが、それがよいというわけではありません。また最後まで再生されないクオリティの低い動画はGoogleから悪い広告という評価を受け、広告効果が悪化することも予想されます。
広告の単価はどれくらい?どうやって決まる?
YouTube広告の再生や視聴、クリックの単価というのは、新聞やテレビ、雑誌のように一律の金額が設定されているものではありません。他の運用型広告と同様に入札によって決定されます。また広告の単価はターゲットユーザー、地域、ジャンルなどによって大きく変わります。今回は3パターンの課金形態を解説しながら、最近の単価イメージを説明しています。
視聴単価(CPV)とは
YouTube広告では動画が30秒以上視聴(30秒未満の広告の場合は最後まで)された場合に費用が発生します。その単価がCPV(Cost Per View)であり、ジャンルによって大きな差がありますが、1視聴単価の相場は数円~20円程度のことが多くなっています。
クリック単価(CPC)とは
主にディスカバリー広告(関連動画の最上部など)でユーザーが動画広告のサムネイルか見出しをクリックして再生を開始したときに料金が発生します。クリック単価(CPC)の相場感は50~150円となっています。
インプレッション単価(CPM)とは
6秒間スキップすることができないバンパー広告はインプレッション課金となります。インプレッション課金とはクリックや視聴に関係なく表示に対して課金される方式で、一般的にインプレッション単価(CPM)は1,000回表示の金額を表します。YouTubeバンパー広告のCPM(1,000回再生あたりの費用)は平均400~600円くらいになることが多くなっています。
費用対効果を向上させるために
広告を実施するかといった検討において、費用対効果を見積もることは欠かせません。ここではYouTube広告の費用対効果をどう考えるべきかについて紹介します。
コンバージョンを獲得する運用
すぐに買ってもらうことを目的にするのであれば、「今すぐ購入」「見積もりを依頼」「詳細を確認」といったアクションをユーザーに促すことのできるTrueViewアクションで、指定した目標の範囲内で最大限のコンバージョン数を獲得できるよう入札単価が自動的に設定される目標コンバージョン単価(目標 CPA)を活用しましょう。
通常のデモグラフィックをベースにした TrueView アクションと、転職活動中のビジネスパーソンに向けて配信する TrueView アクションのカスタムインテントを活用したパターンを比較しました。すると、後者の方が CVR が 7 倍、CPA はさらに 64% 低く抑えられたのです。
より効率的な会員獲得に向け、入札方式を、目標コンバージョン単価を設定する tCPA (目標広告単価)入札に切り替えたところ、CPV 入札と比べ、会員獲得のコンバージョン単価がなんと 93% も減少。
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/video/trueviewaction/
広告の目的に合わせて「コンバージョンの最大化」「クリックの最大化」などのタイプを選択することで、機械学習が目的に合わせた運用を行うことはGoogle広告と同様です。CPA(獲得単価)を最優先した設定を行うことで、直接申し込みや購入に繋がりそうなユーザーに優先的にアプローチを行うことが可能です。
アトリビューション(間接効果)を計測する
「YouTube広告を見ていて流れた広告をクリックし、その場で申し込みや購入する」というパターンはあまり多くないはずです。YouTubeを見ているユーザーは買い物をしているのではなく、動画を楽しむためにYouTubeを利用しています。このユーザーの態度(状態)が検索広告との大きな違いです。
YouTube広告を起点として実際のコンバージョンに至るまでには「YouTube広告で見たサービスをあとで検索しなおす」「動画で気になっていた商品の広告をSNSで見て購入する」といった行動が存在します。この間接的な効果を測定して評価しないことで、YouTube広告に効果があるのかないのかわからないという状態に陥るケースを多く見ます。データ分析は代理店や運用会社に分があるかもしれません。YouTube広告の運用を外注した場合にどれくらいの費用がかかるのかをこちらの記事でまとめています。
リーチの効率はテレビ以上?
Googleが6月に国内販売を開始したGoogle Nest Hubのプロモーションでは、TV CMとYouTube広告を比較できるようなかたちでキャンペーンを実施。同じ15秒の動画を最初の1週間はTV CMのみで、次の1週間はYouTubeのみで流したところ、リーチできたユーザー数はYouTubeのほうが30%多かったと明かした。
https://news.mynavi.jp/itsearch/article/marketing/4716
地域や年齢、ターゲットによって差があるので、テレビCMよりYouTube広告のほうがリーチしやすいと結論づけるのは間違いです。ただ「テレビCMは見ないけれどYouTube広告は見る」という人が増加していくのは安易に想像ができます。
YouTube広告で失敗しないために
今回はYouTube広告の課金システムから単価の相場感、費用対効果をよくするためにできることを考えてみました。合わせてYouTube広告の効果を向上させるために考えておいていただきたいこともまとめておきます。
目的に合わせた配信タイプ
YouTube広告を実施する目的と役割はなんなのかを確認する必要があります。動画を視聴してほしいのか、クリックしてほしいのか、問い合わせをしてほしいのか、目的に合わせた配信タイプを設定しないと、効果的な運用もできず広告費を無駄に使うことになります。
YouTube広告の前後を設計する
YouTube広告を視聴するユーザーは動画が見たいのであって広告が見たいわけではありません。広告にポジティブな感情を抱いたとしてもわざわざクリックをしないユーザーが大半でしょう。そういったことを踏まえ、「覚えやすい商品名と思い出しやすい動画構成にする」「サービス名で検索したときの検索結果を整理する」といった広告だけではないその前後の環境を整えることが必要になります。
そもそも「費用対効果」とはなにを指す?
広告の導入にあたっては費用対効果について検討されることが多いはずです。その場合の「効果」について共通の認識がされているかは疑問です。「効果」が広告費に対する短期的な売上や利益なのか、認知度なのか、プレファレンス(消費者のブランドに対する相対的な好意度、選好性)なのかといった「効果」の定義が曖昧な企業が多いように感じます。まずはYouTube広告の役割と目的を決めることから始めてください。YouTube広告のご検討やネット広告のプランニングに関するご相談はフォームよりご連絡ください。
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