中小企業のWebマーケティングを成功させるための考え方と具体的手法

2021年1月6日中小企業

中小企業のWebマーケティング

お客さんがオンラインに移行しているのであれば、企業のマーケティング活動もオンラインに移行するのが当然です。しかし多くの中小企業では「予算がない」「社内に知見のある人間がいない」とWeb/デジタル化が後回しになっているのも現実です。

とりあえずなにかしら始めようと考え営業マンの言葉を信じて導入するも、「広告、SEO、SNSのどれも結果が出なかったからネットは信用できない」という中小企業の話もよく聞きます。

当然ですが、大企業が導入すべき施策と中小企業が導入すべき施策は異なります。中小~中堅規模のWebマーケティング支援を数多く行ってきた経験をベースに、中小企業のWebマーケティングにおける「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を解説します。

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中小企業のWebマーケティングはなぜうまくいかないのか?

「うまくいく」というのがどういう状態であるか?にもよりますが、ここではとりあえず「成果が継続的に出ること」とします。中小企業のWebマーケティングがうまくいかない理由は組織によってさまざまなのですが、よくある理由としては下記のようなことが上げられます。

ネットは楽に儲かるという勘違い

・インフルエンサーに紹介してもらえばSNSでバズって売れるはず

・広告をやれば売上と利益も出るはず

・いい感じのサイトを作れば問い合わせが増えるはず

人は楽して儲けたいものです。広告用に盛られた成功事例を鵜呑みにして導入するも思った成果が出ないというのは誰しも体験したことがあるはずです。成功事例を読むと自社でもうまくいきそうなのですが、成功事例は10社が導入してうまくいった1社の話に過ぎません。

自社の商品やサービスを過大評価しているケースもよくあります。「商品がいいのに売れていないのは認知が足りないだけなので、認知されれば売れるはず」という理論です。自社商品やサービスに愛情があるのはいいことですが、単純に認知されれば売上が増えるというケースはほとんど存在しません。

経営陣が成功体験を捨てられない

中小企業の経営層にはその会社の創立者やオーナーが多くなります。インターネットがない時代に会社を伸ばしてきた人であればオンラインへの移行やWebマーケティングなんて必要ないと考えるのもおかしくはありません。

訪問営業や電話営業で売上をつくってきた人にとってはその方法が最善策です。自分がうまくいった方法が最善だと思っているので「気合い入れて訪問と電話すればいいんだ!」となってしまい、なかなか新しい手法や文化を取り入れることができません。

計測しない・判断の基準がない

デジタル/Webの大きな特徴として”計測できる”ことがあげられます。「何人に届いて何人が購入したのか」「AとBの広告はどちらが売上につながるか」をデータで理解することが可能です。

しかし実際にはHPのリニューアルでもSNSアカウント運用でも実施後に正しく計測されているケースは非常に稀です。売上が3倍に増加するなど誰がでもわかるような結果なら適当に計測をしても効果があることを理解できるでしょう。しかしほとんどの場合はそうではありませんので、施策に効果があったのかなかったのかを判断することができなくなってしまうのです。

その他には目標にすべき指標や計測するものを間違えているというケースもあります。

アクセス数や検索結果の順位、SNSのフォロワー数をモニタリングしているかもしれませんが、それは本当に売上や利益につながる適切な指標になっているでしょうか。「アクセス数は増えているのに売上は変わらない」「フォロワーは増えているのに問い合わせは増えない」というのは目標設定を間違っている場合に起こる現象です。

中小企業がやってはいけないWebマーケティング

ネットや雑誌にはWebマーケティングに関する情報が溢れています。どれも効果が出そうに感じるのですがほとんどはそのまま真似をすると失敗します。予算や人員が限られている中小企業でやってはいけないWebマーケティングとはどういったものでしょうか。

成果までに時間がかかるものはやらない

導入や実施を検討する際には、成果までに必要な期間を理解する必要があります。SNSアカウント運用やオウンドメディア(コンテンツマーケティング)のようなものはうまくいって半年〜1年、広告なら2〜3ヶ月、フォームの改善なら1ヶ月とある程度の予想ができます。

中小企業では成果までに時間のかかる施策を取り入れるのが難しいのも現実です。複数の施策を同時に実施できれば一番よいのですが、優先度が高いのは短期間で効果が出るものです。

流行っているものはやらない

ネットで見かける最近流行のツールもほとんど必要ありません。自社の課題が明確でそれを解決できる手段やツールならよいのですが、なんとなくで手を出さないほうが無難です。過去にブームになったFacebookページ運用、MA導入、ブログやオウンドメディア運用、インスタグラムやTikTokで成果を出し続けている企業はどれくらいあるでしょうか。

雑誌やネットの成功事例は魅力的なのですが、それは導入した企業の一部の話だということを忘れないでください。

ギャンブル性の高いものはやらない

成果に時間を要するものでも最近流行っている手法でも、工数やお金がかからないものであればチャレンジするべきかもしれません。反対に中小企業が絶対にやってはいけないのが一か八かの賭けのような施策です。例えば100万円をかけて有名YouTuberとタイアップをすることや、300万円で会社HPをリニューアルすることです。「小さくても確実に効果が出ること」から始めない理由があるのでしょうか。

中小企業のWebマーケティングなにから始める?

Webマーケティングやデジタル施策を始めようと思っても、選択肢は無数に存在しどれから手を付けるべきかわかりません。中小企業がやってはいけないWebマーケティングも踏まえ、中小企業が最初に始めやすいWebマーケティング施策を考えてみます。ポイントは「ゴールに近く」「効果が出やすいもの」です。

検索広告をやってみる

Webの広告で集客するなら「Google検索広告」や「Yahoo!広告(検索)」といったリスティング広告(検索連動)がもっとも成果に近いことは間違いありません。検索広告のアプローチ対象は、情報や解決策を探しているユーザーです。適切なサービス・商品・情報を提供すれば、問い合わせや購入、ダウンロードといった成果に繋がりやすいのも当然です。

顧客リスト/見込みリストがあるならメール送ってみる

ECであれば顧客リスト、BtoBならリードへのメール送信は最も簡単に売上や商談をつくる手法です。メルマガといえば古い手法のようにも感じますが、費用対効果という点では最も優秀かもしれません。EC、webサービス、転職サイトが大量のメルマガを送り続けるのはそれだけの効果があるからです。

ブログを3記事書いてみる

新規顧客・見込み顧客との接点づくりには記事コンテンツが非常に効果的です。最初からわざわざオウンドメディアやサイトを立ち上げるくらいであれば、読みやすさやSEOの観点からも「note」や「はてなブログ」の無料プランで十分です。

問い合わせをする人・資料請求をする人・購入する人はどのようなキーワードで検索をしてどのようなコンテンツをつくれば期待する行動をしてくれるのかを考えて渾身の3記事を作成します。検索ボリュームが小さくても想定顧客のニーズを解決するコンテンツであれば反響を獲得できるはずです。

それぞれのWebマーケティング施策を考える

ここからはもう少し具体的に実際に中小企業で検討されやすいWebマーケティング施策について検討していきましょう。

ホームページ・サイト制作

ホームページやWebサイトにどれだけの金額をかけるべきかは、ビジネスがどういった構造になっているかによります。一般消費者向け製品で誰も公式HPを見ないような場合は作る必要すらないでしょう。反対に問い合わせやその他のビジネス上の目標に達するまでに必ず会社HPを経由するような場合はある程度のお金をかけるべきでしょう。

ただ企業ブランドの設計から関わるなどの大きなプロジェクトを除いては200万円も300万円も必要なケースはほぼありません。当然HP制作会社は高い金額で契約したいので多くの機能やボリュームを提案しますが、どこに費用をかけるべきなのかは冷静な判断が必要です。

デザインに時間をかければ成果が出るということでもありません。優先度が低ければWixJimdoWeeblyのような無料プランもあるツールで十分です。それも面倒ならちょっと詳しい人に頼み込んで一緒に作ってもらうか知り合いのデザイナーとエンジニアを紹介してもらってください。

関連記事:ホームページ制作を企業ではなくフリーランスに依頼すれば金額安くなる?

リスティング広告・SNS広告その他広告

リスティング広告は数万円くらいの小さな予算から始めることも可能で、検索広告は成果が出やすい代表的なものです。Google広告やYahoo!広告は誰でも出稿が可能で、代理店や運用会社に依頼せずとも自社で契約や管理・運用を行うことも可能です。

ただ『広告を配信すること』と『広告を配信して成果を出すこと』には大きな隔たりがあります。リスティング広告の運用に必要なことは管理画面のキーワードや入札単価設定だけではなく、ランディングページや競合状況・そもそもの商品力まで含めたトータル力です。Google広告やFacebook広告の機械学習による自動運用も進化していますが、媒体の力を十分に発揮するためには経験やスキルが必要なのは飛行機の自動操縦と同じです。

必要なスキルをもった人間がいない場合には運用会社と進めたほうが効率的ですが、運用手数料(フィー)が安いことを売りにしている代理店は避けるのが無難です。

リスティング広告を軌道に乗せるためには管理画面の操作だけでなく、ビジネスの理解とリスティング広告外も含めた全体設計が重要になります。格安代理店は業務を効率化してかかる時間を減らすことと給与が安い人材を活用しコストを下げることで低い手数料を実現しています。やることが決まっていて作業を依頼するのには適していますが、そうでない場合には向きません。

関連記事:中小企業がリスティング広告やるなら最低限理解すべきポイント

関連記事:なぜリスティング広告を手数料が安い業者に依頼すると失敗するのか

SNSアカウント運用

ソーシャルメディアの運用は基本的に中長期の施策になるので、リソースが十分にあるわけではない中小企業におすすめすることはあまりありません。「1年続けて成果が出なくてもしょうがない」くらいの気持ちならいいかもしれません。

関連記事:中小企業は公式SNSアカウントの運用なんてやらないほうがいい

SEO・コンテンツマーケティング・オウンドメディア

一部の業種やサービスでは検索結果の上位表示が売上に直結するケースもあります。それ以外ではなにかしらのキーワードが検索で上位表示されたからといって売上が大きく伸びることはありません。SEOで一攫千金を狙うのは諦めてください。たまに毎月数万円SEO業者に支払い続けているという話を聞きますが、95%くらいは解約して問題ありません。

多くの記事を作成・上位表示させて見込み客との接点をつくるコンテンツマーケティングも一時期流行し、現在でもコンテンツに力を入れている企業も少なくありません。力の入れ方にもよりますが、目に見える効果まで半年〜1年くらいの期間を覚悟できるのであれば選択肢のひとつです。すぐに効果が出るものではないので他の施策と同時進行になるケースがほとんどです。

MA・CRM

潜在顧客を集めて顧客まで自動でナーチャリング(育成)するという夢のような話なのですが、ほとんどはリードの数不足という理由でうまくいきません。商材の特性にもよりますがリードが数百・数千件になる見込みがなければMAやSFAを考える必要はありません。

中小企業Webマーケティングの予算

Webマーケティングを検討する企業から「どのくらいの予算が必要なの?」と質問されることがあります。これは条件によって幅がありすぎて回答できず、例えるなら「家はいくらで買える?」「時計はいくらする?」という質問をしているようなものです。300万円の家もありますし10億円の家もあります。1,000円の時計でいい人もいれば1億の時計を購入したい人もいます。

ゴールから逆算できるものもある

広告運用の場合には問い合わせやリード獲得、売上などの目標があればゴールから逆算して算出することが可能です。

月に受注を1件増やしたい工務店のケースを考えます。見学会やイベント来場の獲得単価が5万円、商談化率が20%、商談からの契約率が20%だと仮定します。この場合1契約に必要なリードは25件になりますので、獲得単価が5万円だとすると毎月125万円の広告費と概算で算出できます。

BtoBのSaaS企業が月に50件リードを獲得したいとします。リードの相場が5,000円であれば毎月25万円の予算が必要かもしれません。

金額が決まっているものは多くないので工夫次第

とは言っても月30万円以内とかとりあえず100万円と決まっていることもありますのでそのなかでプランニングをしなければならないこともあります。テレビの枠を買うとかタレントでPR投稿を行うとかでなければ工夫次第で必要な予算は変わります。

オウンドメディアは無料のツールでもできますし、SNS運用は一般ユーザーの投稿を活用できるかもしれません。YouTubeチャンネルの動画はスマホ撮影編集なしで十分かもしれません。特に中小企業のWebマーケティングでは工数を削減していく工夫が欠かせません。

中小企業のパートナー選び

会議

現実的にWebマーケティングに関する施策をすべて社内で実行できる中小企業はほとんどありませんしするべきでもありません。

とりあえず

「リスティング広告をやろうと思ってネットで業者を調べて話を聞いてみる。」

「ホームページのリニューアルをするために一括見積もりサービスに申し込んでみる。」

これはよくある失敗するパターンです。もちろんどの会社(担当)が広告を運用するのか、どこにサイト制作を依頼するかは重要です。しがし外注先の選定よりも大事なのは、その広告をやるべきなのか?サイトリニューアルをするべきなのか?優先度はどうなのか?予算の配分はどうするか?ということなのです。

広告の営業マンは「広告で売上を増やすべきです!」SNS運用の営業マンは「いまはインスタやってないとやばいです!」制作会社の営業マンは「まずはサイトリニューアルをすべきです!」と提案するのが仕事ですので当然です。

中小企業のWebマーケティングには個別施策よりも前に全体図が必要です。ここが足りていなければまずはこの部分の補強からです。SEO会社やリスティング運用代行会社の担当者では対応は難しく、そもそも特定の商材(ツール)を売るのが仕事の人に全体のアドバイスを求めるのはやめたほうがいいでしょう。

まとめ

中小企業のWebマーケティングではこの2点が重要そうです。

・マーケティング上のボトルネックを探してそれを解決するための施策を行う

・小さくて成果に近いものからはじめる

個別施策のクオリティももちろん重要なのですが、予算や工数に限りがある中小企業ではそれ以上に施策の優先付けに失敗しないようにしてください。認知、購入率、成約率、リピート率などビジネスどこを改善する施策を行うべきなのか戦略を間違うといくら戦術がうまくても成果には結びつきません。

そのなかでなにを採用するかといえば効果が出やすいものです。もちろんなかには数値化しにくい重要なものもありますが、その前にやるべきことはたくさんありますので最初は考えなくても大丈夫です。

Webマーケティングは「導入すれば成果が出るもの」ではなく「マーケティング活動をサポートする手段やツール」に過ぎません。なんとなくよさそうなものを導入するのではなく、深い顧客と自社サービスの理解のもとに施策を検討してみてはいかがでしょうか。


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Posted by kaizuka