中小企業がWeb事業部を丸ごとアウトソーシングしたほうがいい理由

中小企業

web事業部のアウトソーシング

インターネットやスマホが普及してからいまだ十数年、生活や仕事のほとんどがネットとつながるようになりました。企業活動においてもホームページの開設など一部分だけだったネットやWebの領域が、情報収集からコミュニケーション、採用や営業、受発注や契約とすべてがオンライン化しています。Web担当者やWeb事業部がカバーすべき業務範囲は拡大する一方です。

各企業において人事部や採用担当は優秀なWeb人材の採用に力を入れていますが、企業を外部から支援する立場からみると、中途半端に外注しないでいっそのこと可能な限りすべてをアウトソーシングしてしまったほうが効果的ではないかとよく考えます。特に中小企業においてはWeb担当者の採用やWeb事業部のようなものを作るべきではないとすら考えます。

この記事では中小企業はWeb事業部や担当者をどうするべきなのか?外注やアウトソーシングするのであればどのように進めるべきなのかを考えてみました。

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Web事業部の仕事はアウトソースしやすい

Web関連の仕事をする事業部やチームは企業によってWeb事業部だったりネット事業部だったりと様々な呼ばれ方をされます。また企業によってはマーケティング部の中にネット部門があったり、広報やPRのチームのなかにネット領域も含まれていたり多くのパターンが存在します。こういった事業部で行われている業務の内容を確認しながらアウトソースが可能か検討していきます。

サイト制作やサイトの更新/管理など

ホームページ(Webサイト)の制作や保守管理は外部の制作会社と一緒に進めるのが一般的です。自社サイトを制作するのに適切なデザイナー・エンジニア、ディレクターを社内で抱えているケースは稀ですので、基本的には外部企業と担当部署で進めることになります。

サイトを作って公開するまでとドメインやサーバーの管理までは外注するのが一般的ですが、なぜかサイトの更新作業は社内スタッフで行うことにしている企業も多く存在します。外注するか社内のスタッフで対応するのかの判断は「社内でできる/できない」ではなく「社内でやる必要があるか/ないか」をおすすめしています。

ソーシャルメディアの運用

一般消費者向けの商品やサービスはもちろん、最近ではBtoB(企業間取引)の領域でもソーシャルメディアの活用が盛んです。少し前だとFacebookページやインスタグラムアカウント、最近だとYouTubeの公式チャンネルを運用することもあるかもしれません。スタッフを多く抱える大企業や社内に得意な人間(と時間)がいる場合を除いては、外部の運用会社や支援会社と進めるのが一般的だと思います。発信されにくいといった理由もあるのでしょうが、中小企業において社内スタッフだけでSNS運用に成功しているケースというのはそこまで聞かないですよね。ソーシャルメディアに関しては特に最初の方向性と戦略で成功確率が変わるのでその点も注意が必要です。

関連記事:SNSの運用代行はフリーランスやバイトに依頼したほうが成功する

Web広告/運用型広告

インターネット広告費が広告費全体の約3割を占めるくらいに一般的となり、インターネット広告の代表でもあるGoogle広告やYahoo!広告、SNS広告を導入している企業も少なくないと思います。このような運用型広告と呼ばれるインターネット広告も非常に外注化しやすい業務で、数え切れない数の運用代理店が存在します。

・国内の年間インターネット広告費は1兆7589億円

・インターネット広告費は日本の総広告費の26.9%

・検索連動型広告とディスプレイ広告で全体の約8割

2018年のインターネット広告媒体費は1兆4480億円に。モバイル+動画広告の伸びに注目

運用型広告を成功させるためには専門的な知識と情報のキャッチアップが欠かせません。ですのでたまたま詳しい人が入社した/採用したという場合を除いては、中小企業でここをやるのは得策ではありません。

関連記事:本当に広告運用をフリーランスに外注しても大丈夫なのか?

外部業者のコントロール(ディレクション)

外部の制作会社や広告会社が欠かせないWeb事業部やネットに関わるチームでは、外部企業のコントロールやディレクションも業務の大きな割合を占めています。進捗やスケジュール管理のようなものから全体としての効果検証のようなものまで業務は広範です。また施策や打ち手が増えるにしたがって担当者の業務範囲も拡大し、すべてをキャッチアップしていくことが困難になります。

その他多くの雑用

「なぜそれをここに振るのだ?」というような仕事がただWebとかネットに詳しそうだからということで飛んできますよね。その人でなければできない業務であれば別ですが(それも問題ですが)、マニュアルが作れるような単純な業務は時給で2,000円払えば外注できます。

アウトソーシング(外注)するメリット

「社内で対応や処理ができないため外注せざるを得ない」という状況もあるのですが、そういうことでもない場合においては積極的にアウトソーシングを使っていくメリットはなんなのでしょうか

1.単純に施策の質が上がる

適切な外注先や連携先があればより質の高い施策を実施することができます。ネットで調べたりなんとなくで行うよりも専門家のほうが効果を出せるのは当然です。「無駄な費用は払わない」というのは完全に正しいのですが、効果のないものに時間をかけるのはより無駄な行為です。(効果も見えず何のために始めたかよくわからないSNSアカウントありませんか?、、、)

社内のスタッフが行う場合にはその人の能力やスキルに依存してしまうので、それを避けるために代理店や運用会社の情報や事例もうまく使っていきたいものです。

2.外注なら採用コストがかからない

採用の金銭的時間的なコストがかからないということもアウトソースの大きな魅力です。ほとんどの中小企業はブランドが弱く、また採用活動にリソースを割いていないため思うような採用はできていません。労働人口は減少していく時代に個性のない中小企業は人材マーケットで大企業と戦うべきなのでしょうか?候補者に対して自社へ入社することを胸を張っておすすめできるのであればいいですが、そうでないのであればやめておきましょう。

アウトソーシングや外注を使っていけばそのような採用の必要はないし育成のコストもかかりません。ブランドの弱い中小企業が採用できる人よりもフリーランスで活躍している人や質の高いオンライン秘書のほうが優秀だという事実をご理解ください。

関連記事:Web担当者なんて採用しないで外注やフリーランスを使うべき理由

ただ注意しなければならないのはアウトソースや外注なら優秀な人が安く雇えるのではなく、正社員採用よりはマシだというだけです。優秀なフリーランスというのは仕事を選べる状態ですので、そのような人と働こうと思ったら報酬なのか仕事の魅力なのかを伝える必要はあります。

3.固定費(人件費)がなくなる

人件費という一番動かすのが難しい固定費を無くすことができます。Webの分野では今必要な業務が来年必要なくなっているかもしれませんし、自動化のツールのおかげで人がやる必要がなくなったというようなことがよく起こります。その際に正社員採用をしていた場合には配置転換や最悪仕事を作り出すことが必要になってしまいます。外注やアウトソーシングであれば必要に応じて作業のボリュームを調整することも可能です。

ただし外注のデメリットもある

もちろん業務のアウトソースにはメリットだけではなく、場合によってはデメリットになることもあり得ます。

よく言われるひとつが「ノウハウが社内に蓄積されない」という点です。「正社員でやればノウハウ(?)を社内に蓄積できるが外注してしまうとそれができない」という考えもあるのかもしれません。ただ社員は退職しますし、そのノウハウにはそこまで価値があるのでしょうか。「ノウハウ」が履歴という意味であれば、外注やアウトソースを使ってもドキュメントに残すなどの対応が可能です。

また価格面でもデメリットになるケースもあります。単純作業のアウトソーシングであれば費用はそこまで高くない(正社員採用よりも安い)かもしれませんが、上位レイヤーや高いスキルセットでの外部化であれば外注コストを高く感じることもあるでしょう。どこに費用をかけどこを削るのかは考える必要があります。

業務ではなく事業部ごとアウトソースしてしまう

制作業務だけなのかネットのプロモーション全体なのかはわかりませんが、ほぼすべての企業がWebに関するなにかしらの業務を外注しているはずです。

社内の担当者でも外部のコンサルタントでもいいのですが、戦略策定〜アサイン、管理までできて初めてWeb施策の効果が見込めます。最悪なのが、管理する能力やスキルがないにも関わらずサイト制作管理はA社に、広告運用はB社に、SNS運用とSNS広告はC社に依頼するようなケースです。ゴールも戦略も曖昧なまま各施策が動くのでコントロールができません。

このような管理者や担当者にスキルと知見が不足しているケースは往々にして起こっており、場合によってはマイナスに働くこの座組(組織構成)でやるくらいであれば、事業部ごとアウトソースしたほうが効果が出るケースが多いのも当然なのです。もちろん理想はマーケティングやPR、Web戦略全体を見て指揮できる人材がいることなのですが、残念なことにそのような人材は希少で採用は困難で年収レンジは低くて600万~800万円程度です。

どこならまとめて外注できる?

ここまで読んでくださった方のなかには「外注業者と付き合いながらWebの施策を実行しているがいまいち成果につながっていない、、、」「確かにそもそもの戦略や全体像を描ける人が存在しないことに問題があるのかもしれない、、、」という人もいるはずです。

それでは部門全体・事業部としてネットをすべてアウトソースしたい場合にはどのような選択肢があるのでしょうか。

ネット専業の代理店に外注する

ネットやデジタルをメインとして広告代理店業やコンサルティングを行っている会社が星の数ほど存在します。数千人規模で一部上場しているような企業もあれば、数人でやっている企業も存在します。

ネット広告を扱っていて一部上場しているような聞いたことのある代理店だと基本的には月に数百万、数千万の予算のあるクライアントを対象としています。これら大手の代理店はクライアントの要望を社内の他部門やグループ会社で引き受けます。小規模な代理店の場合には付き合いのある協力会社やフリーランスと一緒に進めることになります。

ディレクションができるフリーランスに外注

最近ではフリーランスや副業で働く人も増え、企業とフリーランスをマッチングサイトも増えてきました。

関連記事:Webマーケティングを外注するならフリーランスの副業マーケター一択

フリーランス/副業マッチングサービスでは比較的価格を抑えて優秀な人材に発注することが可能です。ただここで問題なのは、複数のフリーランスをひとりひとり採用して管理しなければならないということです。正しい施策の決定と採用、マネジメント、評価ができなければ社員採用でも代理店への外注でもフリーランスでも結局うまくいきません。

Web関連業務のすべてを外注化を目的にフリーランスを活用するのであれば、部門のトップを任せられるような人材をフリーランスや非正規の形で招き入れるのが得策でしょう。社長や役員レベルと一緒に戦略やブランドについてコミュニケーションをとれる必要があります。

KAIZUKAがやっていること

弊社KAIZUKAはWeb領域に強みを持つプランナーやディレクター、広告運用者によるフリーランスチームです。ちょうど「ネット専業代理店」と「個人のフリーランス」の間くらいの立ち位置です。

「広告を運用してほしい」「SEOをどうにかしたい」「SNSを運用したい」のような個別の施策でもお手伝いしておりますが、メインはプロモーションのプラン策定などのマーケティング分野での支援を行っております。フリーランス人材の柔軟性やコスト感は生かしつつ、企業/チームとして動くことでフリーランスに外注する不安やリスクを低減しています。

中小企業こそアウトソーシングを活用するべき

Webに関わる業務の外注やアウトソーシングについて一通りご説明してみました。働き方改革の号令で効率化の機運も高まり、大企業では業務の機械化やアウトソーシングが進むようになりました。

しかしアウトソーシングが本当に必要なのは成長を目標とする中小企業やスタートアップにこそ必要なのではないでしょうか。中小企業の限られた人材と時間を優先度の低い業務に使っている場合ではなく、コア業務に集中してスピードを上げるべきです。

ビジネス環境の変化がどんどん早くなる世の中において、固定費の増加は経営的なデメリットとリスクでしかありません。必要なリソース(人材)を必要なときに必要な量だけ使うという経営がスタンダードになる世界でアウトソーシングをうまく活用できない企業の未来は厳しいのではないでしょうか。


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Posted by kaizuka