Twitter(X)とインスタグラム企業がどちらを始めるべきか迷った際の考え方
一般のユーザーだけではなく企業においてもSNSの活用や導入が進んでいます。以前からFacebookやX(旧Twitter)
を活用していた企業も多いのですが、特にインスタグラムにおいては大企業だけではなく中傷や零細・個人事業においても積極的に活用している人が増加しています。ただ、なかなかSNSの実施に至っていない企業も多く、なにから始めればいいのか?なにを投稿すればいいのか?効果はあるのか?といったご相談もいまだに多くいただきます。
今回はよくあるご質問でもある「Xとインスタグラムはどちらをやるのがいいですか?」というものに対して回答をまとめたいと思います。本来「目的が決まっていればどのSNSを始めるのかは自ずと決まってくる」とは思いますが、なにかしらの事情でSNSを始めることになったという人もいるでしょう。Facebookは最近ユーザーがいなさそう、YouTubeは動画を撮って編集するのが大変そうという理由でXかインスタグラムで検討される方が多いので、それぞれの違いや選択の基準を考えていきたいと思います。
X(旧Twitter)とインスタグラムの違い
ユーザー数がある程度存在するSNSということでXとインスタグラムを候補に検討する人が多いのではないでしょうか。どちらを選択するか?の前にそれぞれのSNSにはどのような特徴があってどのような差異があるのかについて重要なところに絞って解説します。
「インスタは若い人のもの」ではない
X(旧Twitter)の国内ユーザー数は約4,500万人、インスタグラムの国内ユーザー数は約3,300万人とされています。特にXはユーザーが複数アカウントを取得していることが多いので、実際にアクティブなユーザー数はX、インスタグラムそれぞれで3,000万くらいでしょうか。
ちなみにインスタグラムのユーザーの半数近くは男性で、20~40代でも広く使われるようになっていますので、決して若い女性中心のSNSでもなくなっています。【インスタにまつわる3つの誤解】電通 天野氏×フェイスブック 中村氏が紐解く最新ユーザーインサイト
インスタグラムは若い人が使うものと思われていましたが、むしろ実際には20代と30代でユーザーの70%を占めるXのほうが若年層に使われているSNSとなっています。ということで、Xとインスタグラムでユーザー数にそこまで差はないが利用されている年代に少し違いがあるということがわかりました。
ユーザーの使い方の違い
Xとインスタグラムではユーザー数の違いよりも使い方の違いのほうが大きいのではないでしょうか。
Xは自分はフォローしているユーザーの投稿を中心とした(一部そうでないものも流れる)タイムラインをメインに活用します。画像や動画を添付して投稿することも可能ですが、中心はテキストで、ニュースから日常から独り言まで情報がリアルタイムに流れ続けます。
インスタグラムもフォローしているユーザーの投稿が流れるタイムラインやストーリーズが中心なのは変わりません。インスタグラムではそれに加えて投稿に付いているハッシュタグをクリックして同じハッシュタグが付いている別の投稿に進んだり、インスタグラムの機械学習による似た投稿やユーザーが関心を持つであろう投稿といったような意図していない投稿を発見する機会が多いのも特徴です。また旅行先をinstagramで検索したり、予約するレストランをinstagramで検索したりといった使われ方がされているように、SNS内での「検索」はXよりインスタグラムが少し強くなっています。Instagramでは8割、Xでも6割のユーザーがハッシュタグ検索を何らかのかたちで利用しています。10代〜30代女性のハッシュタグ検索利用率、Instagramでは8割、Twitterでも6割【コムニコ/アゲハ調べ】
情報の拡散性
SNSというと「情報が拡散するもの」と考えている人が多くいるのではないでしょうか。SNSをやれば情報が拡がるのではなくよいものやよい投稿は拡散するであることを前提として認識する必要があります。
Xはリツイートという仕組みがあるので、役に立つ、おもしろい、誰かに知らせたい投稿はリツイートによってどんどん拡散していきます。インスタグラムはXのようなリツイートはありませんので、即時の拡散性といった点では劣ります。しかしインスタグラムではユーザーに支持される投稿が関連投稿やおすすめといった形で露出していきますので、爆発的ではありませんがよいものが徐々に拡がってく仕組みは存在します。
Twitter(X)とインスタの連携
各SNSを運用するのであれば、それぞれ別の担当者が独自に運用するのではなく、なにかしらの連携を図ったり効率的に運用ができればいいのではないかと思いますよね。そこでXとインスタグラムではどのような連携をとりながら運用ができるのかを考えてみます。
複数SNSへの同時投稿
Xとインスタグラムに限らずそれぞれの媒体を運用する意味があれば各SNSを運用すればいいと思います。しかし運用するSNSが増えればそれに伴いコスト(主に時間)も増加します。
始めから運用方針の異なるSNSを複数開始するのではなく、リソースが少ないのであればまずは「インスタグラムの投稿をXにも自動的にシェアしておく」のようなものを活用するのもよいのではないでしょうか。Xにインスタグラムのリンクを投稿すると画像が表示されずにクリックしないと画像などの投稿内容が確認できないという現象が起こります。しかしIFTTTのような連携サービスを使うことで、インスタグラムの投稿をXに自動で表示させることも可能です。最初の設定のみ行えばそれ以降の負担はありませんので、少しでもリーチを広げるという意味でおすすめです。Instagramから写真付きでTwitterに自動投稿
Twitter↔インスタグラムの相互送客
Xとインスタグラムの両方を使うユーザーもいれば、メインで利用するのはどちらかだけというユーザーも存在します。XのプロフィールリンクにインスタグラムのプロフィールURLを設置、インスタグラムのプロフィールリンクにXプロフィールURL設置といったように各SNSを相互に行き来できるようにしておくとフォロワーの獲得には少しは効果的かもしれません。
理想を言えばXではXの目的を決めてXに最適な投稿を、インスタグラムではインスタグラムの目的を決めてインスタグラムに最適な投稿を作るべきなのですが、かける時間などのコストと結果のバランスをみて柔軟に決めることが必要になります。
企業がTwitter(X)とインスタグラムを選ぶ基準は?
ここまでXとインスタグラムにおける違いや連携の方法などを説明してきました。どちらを運用するべきか迷っているという人はなにを基準に選択すればいいのでしょうか。「このサービスにはこちらが適している」というような絶対的なものはありませんが、それぞれのSNSの特性を踏まえ「どちらかというとこちらがよさそう」のようなものはあるのではないでしょうか。
■インスタグラム
- 画像や動画といったビジュアルで訴求できる
- グルメやファッション、コスメといったジャンル
- 幅広い年代にリーチしたい
■Twitter(X)
- おもしろい、びっくり、すごいのような感情を獲得できる
- 新商品など情報が常に追加・更新される
- (ニッチなBtoBなど)顧客の対象となるユーザーの絶対数が少ない
またSNSアカウント運用の始めやすさといった点では、アカウント開設初期のフォロワーのつきやすさや投稿のやりやすさといった点でインスタグラムです。投稿の作り方や運用の手法などは解説記事が多く書かれているのでそれを素直に参考にすればある程度の運用は可能です。
一方Xには「こうやれば成功する」といった正解や方法論があまり確立されておらず、結果が担当者のスキルや商品力に左右されるところが大きくなります。今まで個人的に運用を行ったことがないスタッフが中心の場合は大きな成果はあまり期待しないほうがよさそうです。
上記のようなポイントを参考にしつつ、ただ「フォロワー数を獲得する」のような目標を立てるのではなく、SNSの運用によってどういう効果を期待するのかを考えながら運用媒体を検討していただければと考えています。
SNS運用における戦略の策定から実際の運用サポートまでのお手伝いも行っております。SNSに詳しくないので判断が困難、担当者がいないといった企業様は一度ご相談ください。
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