マーケティングをマーケティング担当者に任せないでほしい
webサイトや広告といったプロモーション周りを中心にサポートしていると先方クライアントの担当部署が「マーケティング部」のようなマーケティング関連部署であることがあります。しかしマーケティングに関わる意思決定をしようとするとこの「マーケティング部」で対応できないことが多くあります。
弊社で支援させていただく企業様においては、担当窓口を代表や経営陣、またはそれに準ずる方にしていただくようにお願いをしています。「マーケティング部」を広告やweb周りの業務をなんでも行う部署にせず、マーケティングは経営に関わる(経営そのもの)もので担当者に任せるものではないのではないかという話です。
マーケティングの言葉の定義
そもそもマーケティングとはなにを指すのでしょうか。広告のことを指したりプロモーションのことを指したりと人や企業によってバラバラになってしまっているところがある気がします。
アメリカ・マーケティング協会ではこのように定義しています。
「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
日本マーケティング協会ではこう言っています。
「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
それぞれでかなりふわっとした言葉を使っていますが、どちらにも共通することはプロモーションや広告のような話ではなく、顧客への価値提供に関わるすべての活動であるということです。ビジネスにおいてもマーケティングとは製品開発、流通、プロモーションやその根底にあるブランディングといったすべてであるというのがマーケティングに関わる人の認識です。
マーケティングは経営
企業のマーケティング部署や担当の業務は多岐にわたります。プロモーション全般を見ていたり、リード(見込み客)獲得を目的とした部署だったり、なかにはブログ・メルマガ担当だったりすることもあります。
マーケティングの定義で記載したように、マーケティングとは誰に何をどのように提供するのか?会社や商品のブランドをどう設定するのか?といった活動ですのでこれは本来経営そのものであると言えます。経営の最もやらなければならないことはこのマーケティングであって担当部署に任せるようなものではありません。マーケティング部がマーケティング機能を持たないのであれば、担職務内容によって名称を変更したほうが誤解を生まないのではとよく感じます。
担当者には判断できない?
会社として決まっている作業を行うだけなら担当者と支援会社で仕事を進めることも問題ないかもしれません。しかし広告戦略の検討でもwebサイトのリニューアルにおいても価値のある仕事をしようと思ったら、会社のコアのターゲットは誰で、強みや差別化によってどういったポジションをとるのか、といったことの理解とこのマーケティング戦略の変更や修正が必要になることがあります。
マーケティングを体系的に学び実務を行っている大企業のマーケティング部署であれば問題ないのかもしれませんが、この部分を理解している中小企業の担当者は非常に稀です。
まとめ
今回は「マーケティング」とは何で誰の仕事なのかを考えてきました。
- マーケティングは経営そのものである
- マーケティングを担当者に任せない
- ブランドを社内に浸透させる必要がある
経営を職務とする人においても自社のブランドやポジションが不明瞭であることを感じることがあります。ますは会社のブランドを設計しそれを社内に浸透させなければなりません。経営とはマーケティングそのものですので、担当部署に任せっきりというのは絶対に避けるべきではないかと自社の理解に乏しい担当者と仕事を行う度に感じる次第です。